今思うと、当時のファンロードが果たした役割は、
「ツッコミの共有」ではなかったかと思います。
今でこそ放送中のアニメに、同時進行でツッコミの
字幕が入ったり、一つのエピソードがSNSでネタとして
共有されるのは日常となりましたが、
昭和の時代、マンガやアニメという作品(情報)は常に
一方通行で、友人たちとその話題で盛り上がることは
あっても、そこで終わっていました。
しかしファンロードならそこに投稿し、載れば、
日本全国の読者でそのネタを共有できます。
例えば『風魔の小次郎』で、小次郎を殺そうとしたり、
双子の弟に死んだはずと言っても
「また悪ふざけがはじまった」で誰も不審に
思わない項羽って、そんなに変人なのか?
『北斗の拳』知将・海のリハクが「見抜けなかった……
このリハクの目をもってしても」に対して
「お前の策、全部裏目じゃねーか!
節穴にもほどがあるぞ」
などという、「言われてみれば確かにそうだ」という
ツッコミを皆が共有してしまう現象が起きたのです。
まだネットのなかった時代、2chやSNSの役割を
ファンロードは果たしていたのではないでしょうか。
もしも『鉄血のオルフェンズ』が昭和の作品であれば、
オルガの「止まるんじゃねぇぞ……」も
せいぜいFRでネタにされるくらいで、あんなに大々的に
オモチャにされることはなかったかもしれません(ため息)