前回は大雑把にまとめたので
今回はもう少し詳しく。
ドレゲネは1巻でも既に
登場していて、オゴタイを
憎んでいるようでした。
今回、その事情が
明かされます。
ファーティマが彼女を
(危なっかしい人)と
評してましたが
降伏後に叛乱、粛清された
一族と関わりがあったのに
庇護者であるオゴタイに
敵意剥き出しじゃなぁ……。
(2巻表紙がドレゲネ)
ファーティマが密偵として
潜入する計画の第一弾は、
遺失物を管理する天幕に
入り、チャガタイ側の
奴隷と入れ替わること。
そりゃ大人数で移動してるん
だから、迷子の奴隷や家畜、
いっぱい出るよね……と
デパートとかの迷子預かり
所を連想しました。
その際手引きをしたのが
シラ。
目端がきいて頼れるけど
大人になっても詰めの
甘さは相変わらずのようです。
シラが今後ファーティマと
ソルコクタニを繋ぐ
伝令の役割でしょうね。
本作の秀逸なところの一つは
「認識の違い」の描き方。
チンギス・ハンの
次男チャガタイは
チャガタイ「法を犯すな
女なら奴隷なら
なおさら法にしたがえ」
この言葉だけ聞くと
(支配者側が一方的に
押しつけた法に従えと?)と
読者もムッとします。
ファーティマは
笑顔で返しますが
その諦観の笑顔は、かつて
ドレゲネの大切な人が
見せたものと同じでした。
ファーティマとドレゲネは
モンゴルに踏みにじられた側。
恨みを忘れないと決意した
二人が近づくエピソードで
あると同時に
オゴタイ「……チャガタイは
優しいな」
チャガタイの公平さや
不器用さをオゴタイが
理解しているという
エピソードでもあります。
・習慣も信仰も違う大集団の
中で衝突が起きれば、真っ先に
犠牲になるのは女や奴隷たち。
・でも皆が法に従うことで
弱い者たちを守ってやれる。
そういう意味で言ったんだ
よね?と尋ねる→
(赤くなってすねた顔で)
チャガタイ「帰る!」
ツンデレなのも判明しましたが
言葉足らずで強い物言いは
既にソルコクタニの警戒を
招いているわけで……。
続きはまたそのうちに。
金国とモンゴルの戦いは
『シュトヘル』にも
出てきますね。