この作品の偉大なところは
医療モノという新ジャンルを
生みだしたばかりでなく、
本心を明かさずに悪ぶる男と、
本音を代弁する少女のパートナー
(=彼女視点からの優しさや
私生活から人間味が出る)
というB・Jとピノコの関係性も
数多の作品に大きな影響を
与えました。
『ギャラリーフェイク』
フジタ&サラ
『仮面ライダーエグゼイド』
大我&ニコ
なんかはその典型です。
大我は髪の色も白黒で
わざと悪ぶった無免許医だし……。
なお、B・Jの特徴の一つである
髪の白い部分は当初ツヤだったとか。
『北斗の拳』で「ひでえ」の
台詞が「ひでぶ」にされるという
大間違いが逆にウケたように
何が起きるかわからないものです。
しかしあの白黒の
髪色と顔キズや、
「愛してゆ」の舌足らずな
口調だけで誰だかわかるのだから
キャラ立ちがすごすぎる。
個人的にDr.キリコが好きなので
登場するエピソードにも
思い入れがあります。
BJ先生と一緒に大勢の
患者を助ける話
大好きです。
キリコ「ふざけるな おれも
医者のはしくれだ
いのちが助かるに
こしたことはないさ……」
彼が主役のスピンオフ
(sanorin漫画 藤澤勇気脚本)
『Dr.キリコ~白い死神』では
ピノコの役割は男の子の
郁馬くんですね。
キリコ先生が幽霊に翻弄されたり、
パジャマ姿が見れたりと
作者のキリコ愛が伝わります。
「変態死神男爵」って悪口、
ちょっと納得できるの悔しい……!
4巻には原作でのB・Jとの
初対決「ふたりの黒い医者」を
キリコ視点から描いた貴重な
エピソードも掲載されていますよ。
『ヤング・ブラック・ジャック』
には若き日のキリコも登場します。
髪が短いし片目でもないし
性格も明るくてCV諏訪部さん。
ベトナム戦争で地獄を見れば
そりゃ人間も変わりますよね……。
ところでB・Jといえば
「ボンカレーはどう
作ってもうまいのだ」
新発売は68年なので、
当時はわりと目新しい
商品だったんですね。
コラボすると聞いた時は
BJ先生のパッケージを
期待したのに……。