昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『怪奇大作戦』第8話「光る通り魔」

あらすじを簡単に説明すると、

ゲストヒロイン、洋子の周囲に現れる
硫黄の臭いのする謎の緑色アメーバ、

それは死んだはずのかつての同僚、
山本だった。

阿蘇山の噴火口に飛び込んだ山本は
死にきれず、熱さと絶望の中で
「燐光人間」に姿を変えていた……。

彼は上司に大規模汚職の詰め腹を
切らされていて、それが自殺の
直接的な原因。

当時、汚職事件を「黒い霧」と呼んだ
松本清張のノンフィクションが流行、

+伝説のカルト映画『美女と液体人間』
をモチーフに生まれたのがこのお話です。

人間をやめた男が、自分を死に追いやった
上司や冷遇した職場に復讐するでもなく

唯一自分に優しくしてくれた女性に
つきまとうというのが物悲しい……。

「真面目な人、上にバカがつくけど」などと同僚が
嘲笑混じりに証言する山本に、
牧さんは終始同情的です。

孤独で生きづらそうな人には何か
シンパシーを感じるようですね。

洋子は山本をバカにせず、普通に会話してても
彼の遺書や託された本を持っていることは
「関わり合いたくないから」と黙っていました。

結婚間近な女性からすれば、余計な邪推を
されるのは迷惑なのは分かりますけどね……。

しかも洋子に「何か山本から聞いてないか?」と
しつこく尋ねる上司は殺害、

洋子の婚約者にも工事現場での事故を狙ったりは
するものの、彼女の部屋に入ろうとして
牧さんからクッションで撃退されるヘタレっぷり。

人間やめてるんだからお前もっと頑張れ……!

山本の残した箱入りの本(遠藤周作『沈黙』)に
入っていたロッカーの鍵から汚職の真相が
明らかになる中、

洋子の結婚式でSRIが罠を張り、ニセの
花嫁マネキンと共に山本だったものを
炎で葬送します。

洋子の涙は少しでも哀れと思って
くれていたのでしょうか……。

せめて忘れないであげてほしい。

監修・円谷英二、監督円谷一という
何気にすごい組み合わせの回。

この切ない回が好きな人は、『ジオウ』の
アナザーウィザードも好きな気がします。

あと牧さんの蝶ネクタイが萌えどころです。

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美女と液体人間

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