昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』その4

印象深いキャラといえば、怪盗X(サイ)と
i(アイ)=イミナのコンビも好きでした。

登場時のサイは人間をガラス詰めにした
「赤い箱」を作る猟奇的なイメージに加え、

犯人のお祖母さんや予告先の犬にまで
化けたりとまさに怪物でした。

しかし見た目は華奢で中性的。
後に少女と判明。

怪盗という設定のために微妙なモノ
ばかり盗んだり、天然気味でアイと
ボケツッコミを繰り広げる茶目っ気も見せます。

「一度姿を借りたから」という理由で弥子の
頼みを聞く妙な義理堅さや

盗みに入ったはずなのに、娘に残したもの
だからと、絵石家由香に形見の宝石を渡す
シーンも好きですね。

自分の中身がわからないと悩んでいたら
答えは思わぬ形でつきつけられました。

「シックス」のクローンであり娘。

観察するために人をガラスの箱に詰めていた奴が、
ガラスの試験官の中で生まれ育った実験動物
だったのは皮肉なオチでした。

アイを殺害され、シックスに連れ去られた後は
洗脳され、「イレブン」という名の
忠実な手駒となります。

(こんなのどうやって倒すんだ?)と
思ってたら、物理で上回るのではなく
元のサイに戻すことで対処しました。

「吾輩は……貴様ならそれができると
信じている」は名シーンです。

ネウロがそこまで言ったのだから
戻ってきたネウロは偽者と断定する弥子。

以前はサイを怖がっていた弥子が
心の奥底に彼女を招き入れ、アイの
記憶を見せます。

サイ(……思い出した 私は 俺は
俺達は 二人で……!!)

弥子を殺して戻ってきたように見せかけての

「怪盗“X”が……あんたの心臓いただくよ」

シックスに散々ヘイトを溜めこんだ読者が
心から「ざまぁみろ!!!」と思った
シーンですね。

しかし反撃もここまでで、シックスに
あっさり処分されます。

最期に弥子に「何が何でも
泣かせてやる」と笹塚さんの姿に……。

笹塚さんの姿と言葉を借りてお礼を言ったとも
取れるシーンは泣きました。

吾代さんの絶妙な補足もいい……!

笹塚さんに関してはまた後日。

魔人探偵脳噛ネウロ 4 (集英社文庫(コミック版))

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