『昴』にはもう一人の天才、NYのトップダンサー
プリシラ・ロバーツが登場します。
実はプリシラが一番好きなキャラです。
すばるたちの刑務所慰問は、前半部分だけが
切り取られ「囚人を感動させたバレエ団」と
美談として新聞記事に小さく載ります。
それを見つけたプリシラは
(アレはどう見ても拷問でも受けてるような
表情だったわ)
(バレエを踊って、一体どうすれば
あんな惨状になるのかまったく思いつかない……)
初登場時はすばるとは真逆の、
充実した人生を送るベテランとしての
余裕たっぷりな感じを見せてからの
(意味があろうがなかろうがそんなことはどうでもいい。
この地上のどこかで、私にできないことを
やっている者がいるっていうことよ……!!)
プリシラは気になって仕方なくなり、
すばるに直接会いに行きます。
彼女の人生楽しんでる感や、足の基礎練習を
毎日2時間も笑顔でやってるところ
(=努力とか義務を越え、喜びとして)
「宇宙人が来たらバレエでコミュニケーションする」と
かなり本気で考えている無邪気なところとか
実に素敵なキャラです。
後にプリシラとすばるは同じ日に『ボレロ』の
公演がかち合ってしまうのですが、
何故か空間を越え、舞台の上で鉢合わせるという
不思議な現象が起きています。
個人的にはもっとプリシラが見たかったのですが
すばるは就業ビザを取得していなかったため
アメリカを国外退去になってしまうのでした。
双子の弟や師匠のオバちゃんなど、身近な人の
死や孤独のせいで昏い影のあるすばるとは対照的に
願った夢のままに生きているという
プリシラの「光」を、すばるがいい影響として
受けられたらと思ったんですけどね……。
あとすばるの幼なじみ・真奈ちゃん超いい子です。
ローザンヌを独り舞台にされて悔し泣きした翌日、
高熱で入院したすばるにお見舞いカード送ったり
後悔するとわかってるのに世話焼いちゃうところとか
ほんと好き。
続編『MOON』についてはまた後日。