すごく良かったので
語ります……!!
公開中なのでネタバレなしで。
今回は鬼太郎が主人公
ではなく「かつての」
目玉の親父が主役。
第6期でも出てきてますが
アダルト鬼太郎(白髪)
といった印象です。
声は関俊彦さん。
名前は最後まで名乗らず、
今回、行動を共にする青年
「水木」が
あるきっかけから勝手に
つけた仇名で呼ばれます。
普通「ゲゲ郎」なんて言われたら
訂正のため、本名なり通称なり
名乗ると思ったんでしょうね。
受け入れちゃうんだ……。
本作はこの「水木」と
「ゲゲ郎」のバディものでも
あります。
映画のキャプションに
「鬼太郎の父たちの
物語」と書いてあるのは
重要な伏線。
鬼太郎は冒頭とラストにだけ
出てきます。
物語序盤の印象は
すごく横溝作品っぽい。
・昭和三十年代の日本。
・土地の有力者でかなりの
資産家でもある当主が
死亡。
・それをきっかけに
始まる連続殺人。
・一族郎党、皆どこか
不気味でおかしい。
・ド田舎の閉鎖的な村で
法律より警察より土地の
有力者の言葉が優先。
・重苦しく陰惨な秘密。
・一族の中にもまともな
神経の持ち主がいて
主人公に協力してくれる。
こう書いたら『犬神家の一族』
『八つ墓村』『獄門島』
などを連想する人も多いはず。
なので横溝作品が好きな人とは
相性がいいと思います。
今回の舞台である哭倉(なくら)
村と、親父殿とを結ぶ役割が
「水木」青年。
水木は東京で政財界の
大物・龍賀時貞の死の
ニュースを知り、
次期当主になるはずの
面識のある会社社長
(時貞の娘婿)に
取り入るため、葬儀へ。
出張許可を取るために
報告した際、勤め先の
社長からある密命を
帯びます。
この辺りのエピソードで
水木の抜け目のない性格と
手駒として扱われていても
それすら利用しようという
強かさが描かれます。
列車の中は昭和らしく
タバコの煙まみれ。
喘息なのか咳が止まらない
少女がいても、誰も
タバコをやめません。
水木もタバコを取り出し
ますが、吸うのをためらう
シーンで、優しい一面が
あるのも示されます。
(でもタバコは仕舞わない)
続きます。