昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』その3

アンジェロがチェーザレ
庇って刺され、死にかけた時の

アンジェロ「私が死んだら
チェーザレ様の手で
葬儀を挙げてくださいますか?」

チェーザレ「お前は死なない
死なせはしない」

ここ本当にいいシーンです……。

ありえないとは思いつつも
暗殺者かもしれないという
一抹の疑いもあったアンジェロが

本当に無垢な善人と
判明する場面。

その後皮肉を込めて
チェーザレを責める
ミゲルに

(台詞は意訳)

「私への好意でしたこと
なんだから、命を落としたと
しても本望だろう」

傲慢な支配者としての
一面を覗かせますが

心から心配して嘆く
アンジェロの乳母マリアと
それを宥めるアンジェロの
やりとりを

陰から無言で眺め、
去って行きます。

幼い頃から聡明だったため
母親から引き離され、

英才教育を受けて厳しく
育てられたチェーザには
どう見えたのか……。

無言だからこそ
気になるシーンです。

そして絵としても
アンジェロ&マリアの
部屋から光が差していて

それを暗がりから眺める
チェーザレがまた
暗闇側に去っていくという

漫画的ならではの
白と黒の演出が
実に素晴らしい……!!

この後アンジェロの療養に
寝室改装して暖かくしたりと
好意の大盤振る舞い。

チェーザレの故郷スペインから
当時のイタリアでは珍しい
アランチャ(オレンジ)を
取り寄せてくれたりします。

おいしいから半分マリアに
あげようと残す、どこまでも
優しいアンジェロ……。

(今回の褒美は何がいいか聞かれて)

チェーザレ「褒美が
スペイン語と乗馬……

相変わらず謎だな
あいつは」

無欲なアンジェロが
今一つ理解できない
チェーザレですが

謎だからこそ
気になるというのは
彼に限ったことでは
ありません。

とりあえずオレンジを
たくさんあげてみるのが
なんか可愛い。

側近「いかほどお持ちしましょう」

チェーザレ「いやというほど」

チェーザレの命を救った
ことは彼の側近たちにも
髙く評価され、

アンジェロはスペイン団
(チェーザレを中心とする
スペインからの留学生一行)の
仲間として認められます。

続きます。