昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『パタリロ』誰が殺したクックロビン

漫画に登場する詩、という繋がりで。

パタリロ』がアニメ化したのは私が小学生の
頃なので、
当時はクックロビンって何だろうと思ってました。

念のため書いておくと、元ネタはマザーグース
「誰がこまどり殺したの」です。

今にして思うとED『クックロビン音頭』の陽気な
リズムと踊りに合わせて「誰が”殺した”」という
物騒な歌詞のアンバランスがすごい。

そこ以外は能天気な歌詞だし。

そういえば2番の歌詞は「マライヒの前に
美女たちが歯軋りする」(要約)ですが、

OPとか『クックロビン音頭』レコードB面の
パタリロ・マーチ』を聴くに、
作詞家は本当に原作を読んだことが
あるのか?と疑問がわいて来ます。

子供向けのドタバタ健全コメディだと
思ってない?

もしくはそうスポンサーを騙したから
土曜7時なんかに放送できたのか。
(超暴言)

そういえば3番の歌詞に「ひょうきん比べ
大流行」なんてのがありますが、
当時は『オレたちひょうきん族』という
バラエティ番組が放送中でした。

って、注釈付けないと何だかわからないって
人の方が多数派になってるんだろうなぁ……。

『動物のお医者さん』菱沼さんの詩のパロディ

漫画の中の詩の引用つながりで

「おかあさん アタシのあの博士論文
どうなったでせうね」

送った論文の返事がなかなか来ない
菱沼さんの呟き。

ハムテル「ああ、詩のパロディでしたか」
落としたのは本当は麦わら帽子

このくだりの元ネタがずっと謎でしたが、
西條八十の詩「ぼくの帽子」から
引用したものでした。

ちなみに出だしの「母さん 僕のあの帽子 
どうしたのでせうね」は

77年の角川映画人間の証明』予告ナレーションや
キャッチコピーにも使われていました。

映画の重要なキーワードになっていますが、
ここでは触れません。

72年の札幌オリンピックのテーマ曲を
覚えている菱沼さんのことですから、
映画のことも知っている確率は高いと思います。

どちらにしても、菱沼さんのネタのチョイスは
当時でも渋すぎる……。

実は今でもまだ漆原教授の「このカシオミニを
賭けてもいい」を使ってるんですが、

ネットでもいろんなところで見かけるので、
みんな『動物のお医者さん
大好きなんだなーと思います。

ここまで来ると、知らない人でもなんとなく
使ってそう。

 

 

 

『キテレツ大百科』勉三さんの「街に雨が降るごとく……」

フランスの詩人・ヴェルレーヌの詩の一説です。
タイトルはそのままコレ。

「街に雨が降るごとく 私の心にも雨が降る……」
と続きます。

当時アニメ観てて
勉三さんがしょっちゅう
呟いてるのが謎でした。

ググっても詳細がわからないのですが
意外とロマンチストなインテリだという
キャラづけなんでしょうか。

勉三さんに限らず、昭和の漫画には
詩や文学の一説の引用が結構多くて
覚えると賢くなった気がしたものです。

昭和の漫画あるあるですね。

エロイカより愛を込めて』では
ローマ詩人・カトルゥスの詩を
伯爵が口説き文句にしたり、

『ツーリングエクスプレス』の
「ロシアン・エクスプレス」では
トルストイの『アンナ・カレーニナ』の
台詞をシャルルとディーンで言い合う
シーンがあります。

今も探せば出てくると思いますが、
少なくなりましたね……。

『激!!極虎一家』枢斬暗屯子ちゃん

歌手で女優のスーザン・アントンが元ネタなので
「すうざん・あんとんこ」ちゃんなんですね。

名乗ってる画像がいろんなサイトに貼られてるので
それだけ見たことある人いるんじゃないでしょうか。

ヒゲのおっさんの女装じゃなくて、
私立極道(きわめみち)高校の
生徒会副会長。本物の女子高生です。

『PAPUWA』の原田ウマ子ちゃんを
知ってる人は話が早いですが、

学帽政に恋し、一途に尽くす
ちょっぴりお転婆
夢見る”漢女”(おとめ)キャラ。
それが暗屯子ちゃんです♪

(嘘は言ってない)

乙女チックは可憐な美少女の専売特許じゃないはず!

暗屯子ちゃんとか、ウマ子ちゃんとか
このタイプの漢女(おとめ)が増えない
かなとひそかに思っています。

……誰か賛同してくれませんか……?

昭和の漫画の「ジプシー」のイメージ

今はジプシーは差別用語として使用禁止、
「ロマ」が正解だそうです。

しかし、私が子供の頃はジプシーという
言葉は歌や踊りや占いで稼ぎ、旅をする
という
現代に生きる吟遊詩人のようなイメージ
でした。

水晶玉やカードの占い、
ベールやスカートを
ひらめかせて踊り、

そのたびに手首足首の金の腕輪が
きらめく……。

主にマンガや歌の影響ですが、
河惣益巳『ツーリング・エクスプレス』
スペイン編「サンタ・マリア・エクスプレス」

ちえこのマンガ『フォスティーヌ』など
80年代前半にはジプシーを肯定的に
描いた作品が多々あったと
記憶しています。

中森明菜『ジプシー・クィーン』とか
オーガスED『心はジプシー』
なんかもありますね。

元ネタは何だったんだろうと思って
ググったらジプシー・キングスという
アーティストが出てきました。
この辺かな?

実際にはそんな牧歌的な存在じゃ
ないとはわかっていますが……。

 

『究極超人あ~る』「キングアラジンのまねっ!」

腹這いの状態から背中をぐるんと丸めて、
両足首を掴む、まことの一発芸。

だいぶ後になって元ネタは『怪奇大作戦
第一話「壁抜け男」に登場する怪盗、
キングアラジンだとわかりました。

あの中国雑技団的なポーズで
B級ホラーの吸血鬼のような
メイクと衣装で、
笑いながらゴロゴロ転がって、
壁や床に消えるんですよ!!
冷静に対処とか無理!!絶対!!

一話の後半では、キングアラジンの
壁抜けトリックと正体が明かされます。

ある有名マジシャン夫婦の栄光と
転落、狂気、悲哀の全てを詰め込んだ
濃密でもの悲しいお話です。

今観ても本当に素晴らしい……。

怪奇大作戦』も『あ~る』も
大好きなのでまた語りたいと思います。

ダサいっていつから使われてるの?

今でも使われる「ダサい」ですが
昔読んだ『悪魔の花嫁』コミックス
2巻のモブキャラの台詞に

「こ、こりゃダサい(カッコ悪い)こと
しちまったぜ」と( )つきで書いて

あって、爆笑した覚えがあります。

※文庫版とか、コミックスの版数に
よっては削られてるはず。

連載が始まったのは1975年なので
当時はまだ一般的ではなかった
のでしょう。

他に言い換える適当な言葉が
ないのでしょうけど、
これほど長く使われてる俗語も
珍しいのでは?

そう考えると「ダサい」が偉大な
言葉のように思えてきますね。
※気のせい