昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

青池保子『修道士ファルコ』その6(2巻感想1)

ファルコが街で騒ぎに
巻き込まれている頃、

オドは学院でマティアスと
面会していました。

マティアス
「私は聖務と学問に
没頭しているよ」

しかしわずかな会話
からでも、オドは彼が
5年前より傲慢に
なったと感じ取ります。

一方、リリエンタール
修道院ではウルリヒと
いう騎士が、

「150年前にシトー会の
修道士が我が先祖の土地を
不法に奪った」証拠を手に

教区司祭を味方につけて
修道院の立ち退きを
求めていました。

小心者の院長は倒れ、
世事に長けた副院長が
対応に追われる中、

ウルリヒは家来たちを
引き連れ、修道院内で
傍若無人に振る舞います。

一緒に来た司祭に
咎められても平然と
したもので、

司祭は自分が利用されて
しまったことにようやく
気付きます。

結論から言うと

申し立ての証拠として
ウルリヒが出した書類は
マティアスが作った
巧妙なニセモノでした。

ウルリヒ以下家来たちは
戻ってきたファルコや
オドによって叩き出され、
退治されますが

偽物を見破ったのは
マティアスに勝手に
ライバル意識を燃やしていた

(マティアスの方は
内心バカにしてただろう)

奇人変人の自称芸術家、
アルヌルフだったのが
実にいいんですよ……。

アルヌルフ
「長年羊皮紙に親しんだ
私の五感はだませないよ」

カンだけでなく、記述にも
怪しい部分が多い、と
文章の矛盾も見破り
更にお返しに(秘密)

優秀なのは間違い
ないのにな……

詳細はあえて解説しませんが

マティアスはならず者を
けしかけることで院長が
怯えて辞めてしまえば

自分が院長になる日が
早まると思ったのでした。

しかし企みが発覚して
彼は贖罪のため一年間の
巡礼の旅へ。

その後戻って来るなら
受け入れる、との判決
でしたが

冬場にドイツから
スペインの端の
サンティアゴまで歩く。

これだけでも過酷なのに

中世ヨーロッパの治安、
衛生環境の悪さは
言うまでもなく

のたれ死にする確率の
方が高い、体のいい
追放でした。

マティアスは一生幽閉
されるよりは、と
巡礼を選びましたが

自発的にやる人が
多いのも不思議な
ところです。

続きはまた後日。