その日の夕方、
三女の茉子の店舗兼
住宅に八条寺家の
女性たちが集合。
茉子「かわいい
服がいっぱーい
仁衣ちゃん これ
全部いらないの?」
仁衣「悩んだけど
もう2年くらい
着てないのだから……」
というわけで仁衣の
いらない服をお披露目
&もらう会開催。
イチに「これ好き」と
言われて嬉しそうな
仁衣が可愛い。
イチと茉子が服を
手に取って眺める中、
一人マイペースに
カップうどんを
啜る太重。
仁衣がイチには
こういうのが似合うと
コーディネートしたり
はしゃぐ声を聞きながら
太重は自分たちの
子供時代を思い
出します。
太重視点の他の姉妹は
イチ→猫かわいがりで
育てられたので、
一国の姫君状態。
何も譲らない姫君と
張り合った。
茉子→白いおまんじゅうの
よう。人より何もかも
遅くてよくいじめられた。
仁衣→のけものにされても
意に介さない強靭な魂。
太重(姉妹でも
全然違う
言い合いバカにしあい
なぐりあい傷つけ
あった)
それでもイチが不倫
された挙句、息子共々
捨てられた時は
団結したようで
(だけど私たちは
自分たち以外から
受ける互いの傷に
敏感すぎた)
(私の鋭い目つきは
どんなに人を
息苦しくさせたろう)
物思いにふける太重に
この服はどうかと
すすめてくる仁衣。
羽織りながらの
モノローグ
太重(できるだけの
思いやりを
できるだけの
おだやかな
まなざしを
あの頃よりは
少しだけ)
彼女が昔より丸く
優しくなっているのが
わかるのがいい。
その頃、山田くんは
岳と待ち合わせ。
服を買うための相談
相手に呼んだのに
リュックにキャップに
でかいカメラと
昭和のおのぼりさん風で
来られたらそりゃ
遠い目になる……。
山田くんは仁衣が
熱心に営業していた
取引先のOKが出た
お祝いを買うつもり
でした。
山田「服は無理と
思うんだけど
ハンカチとか
小物なら……」
「センパイ
どんなのが好き
かと思って」
岳「えー
知らないなー
プレゼントあげた
ことないし」
会話してるうちに
意外な発言が
飛び出します。
岳「前つきあってた
人にも 何も
あげたことなかったん
だよなー」
(驚く山田くん)
続きはまた後日。