第4話はファルコのいる
リリエンタール修道院の
近くの尼寺、聖アンナが
舞台。
本作に限らず、青池作品は
女性キャラが少なく、
出るとしても哀れな被害者か
女傑か、という両極端。
今回登場の若き尼僧
マルティナはというと
幼い頃に保護されて、
外を知らない純粋培養。
僧院の壊れた塀から
ヤギが見えた時に
マルティナ
「見た事もない
生き物だわ」
何か訊きに行くと
院長「あれは別の世界の
女ですよ その世界の女は
年を取るとひげが生えるの
です」
素直に信じるマルティナ。
※神に仕える者は
俗世のことなど知らなくて
いいという配慮。
このヤギはリリエンタール
修道院の所有だろうと
推測した院長は
「ただで返しては
いけません」と
利用する気満々。
農場を担当する修道僧、
ハンスのもとに報告が
来て、傍らにいたファルコが
尼寺のことを知ります。
「老婆が十人くらい
こもっている貧しい寺だ」
「野菜を一かご
持って行けばヤギを
返してくれるだろう」
この時下働きの僧から
聖アンナの尼さんから
もらった、きれいな刺繍の
入ったハンカチを
アルヌルフに貸せと
言われて取り上げられた、
返してくださいと伝えて
ほしいと頼まれます。
これが今回の重要アイテム。
ファルコは僧院に帰る途中で
盗賊に襲われている商人
たちを助けます。
主人はケルンの商人
ベルトルド・ブラントと
名乗ります。
リリエンタール修道院長の
邸宅に招かれ、壁の
タピストリーを見て
驚愕するブラント。
タピストリーの出所を
尋ねますが、作った修道僧
アルヌルフはオリジナルの
図版だと答えます。
ブラントは15年前、
商談の旅に出た父と後妻を
盗賊に襲われて亡くして
おり、
その際、2歳の義妹も
行方不明で……と語ります。
このやり取りの後に
ハンカチを返せと
ファルコに言われて、
動揺するアルヌルフ。
ハンカチの図案は例の
タピストリーと同じもので、
盗作だったのでした。
つまりこのハンカチを
刺繍した人物は……。
詳細は省きますが
ブラントは義妹の生存を
確認し、心の慰めを得ます。
聖アンナの院長の
粋な計らいも素晴らしい。
続きはまた後日。