オリュンピアスは夫・
フィリッポス王が暗殺者を
選ぶ際に
「口が堅く 忠誠心の
強い者を選んだつもり
なのであろう」
しかしパウサニアスは
忠誠心では動いて
いないと見抜きます。
オリンピュアス
(人の心は複雑怪奇……)
(フィリッポス……
権謀術数に長けたお前が
この点については疎い)
このモノローグから
彼女の優れた洞察力が
読者に伝わります。
パウサニアスにも
彼に与えられた役目を
政治的理由で
説明しますが
それは彼が納得する
答えではありませんでした。
やはり依頼通りにしようと
剣を抜くパウサニアスに
驚きもせず
オリュンピアスは
彼に仕事を依頼。
パウサニアスが応じると
肩にかかる髪を払いのけ、
首を斬りやすくします。
彼が剣を収めたら、
指輪と首飾りを外し……
オリンピュアス
「年増の体に興味など
ないかもしれぬが
あいにく今“支払い”の
持ち合わせが あまり
なくてな」
(かつて兄からある人物に
売られたことを思い出す
パウサニアス)
彼女の舌先が蛇のように
分かれてるのはイメージ
なのかもしれませんが
臆することなく受け入れて
いるのがいいですね。
パウサニアスは顔の
傷がなければ息子に
そっくりなんですが
彼女は気にしないか……。
続く99話冒頭では、
フィリッポス王と
エウリュディケの結婚を
きっかけに
王と王太子アレクサン
ドロスが対立したと
いうエピソードが
「これは後の創作かも」と
いう但し書きつきで
語られます。
何にせよ歴史上の事実は
この結婚後、
オリュンピアスは
生国に一時帰国。
(実の弟が国王)
アレクサンドロスも
都から離れた場所へ
行ったということです。
なおアレクサンドロスは
その滞在の地で
「もう一人の自分」
=ヘファスティオンと
対話します。
※史実では分身のように
仲のいい親友がいたそう
ですが、
本作では二重人格の
別名になってます。
父が母を殺そうとしたと
聞き、ショック受ける
アレクサンドロスは
はた目にはどうあれ、
2人は理解し合って
いた……と
母から聞いた、出会った
頃の話を思い出して
回想シーンへ。
続きはまた後日。