昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

倉尾宏『北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝』その7(4巻感想4)

今回は衝撃のシェルター回。

知らない方のために説明しますと
『北斗』では未だネタにされる
有名エピソードの一つ。

核戦争が勃発直後、
ケンシロウ、ユリア、トキが
シェルターに避難しようと
すると

そのシェルターは子供で
いっぱいでした。

「どう詰めても二人しか
入らない」と言われて

トキはユリアとケンシロウ
背中を押すと、シェルターの
ドアを外から閉めて
しまうのでした……。

「強引に詰めて入れば
被爆しなくて済んだのでは?」

というのがツッ込み
どころなんですが

本来、このシーンは

トキが他人のために自分を
犠牲に出来る優しい人だと
読者に伝われば
それで充分なのです。

説明が長くなりましたが

ドラマ撮影現場では

「シェルターの開閉
レバーが壊れてしまい、

外側から誰かが閉める
しかなくなった」設定が
ちゃんと作られていました。

本来のユリア役、中沢さんの
都合がつかなかったので
マミヤ役の二見さんが
メイクで似せています。

今回のトラブルは
大勢の子供たちが
現場に来てしまったこと。

子供向け特撮番組の見学に
来た引率の先生が、場所を
間違えてしまったのでした。

折角だからと監督が見学をOK。

サービスに2、3人
ゲスト出演させるつもりが

全員が大喜びで
セットのシェルター内に。

そのため肝心の役者三人が
入れません。

(先生も説明役として参加)

詰めても二人しか入らず、
抱っこしようとしても
園児に拒否されます。

仕方なく、シェルター内での
説明シーン自体をなくすことに。

一旦やってみると

大石(子供がいっぱいで
入れないって……)

思わず笑ってしまう
大石さん。

監督「!今の“笑み”!
ケンと子供達に未来を
託すという

自身の選択の正しさに
満足する“笑み”だ!!」

原作再現の作画は熱演の証!

ケガの功名で絶賛され、
「そういうこと」にする
大石さんでした。

優李「流石に今回は
無理がありすぎます!!」

監督「この画を
使わねぇでどうすんだ!!」

実際そこだけ切り取ると
間違いなくいいシーン
なんだよな……。

続きはまたそのうちに。

子供好きの二見さんが微笑ましい……。