グロスター公夫人の無礼に
続き、グロスター公と
枢機卿の言い争いを
目の前にするマーガレット。
王であるヘンリーの登場で
事態が収まるかと思えば……。
歴史に詳しくない読者にも
当時のイングランド宮廷の
現状がはっきりと伝わります。
ウィリアムが差し出した
フランスとの休戦の証書も、
グロスターが王に渡さないまま
握りつぶしてしまいます。
マーガレットが
問いただしても
ヘンリー「ああしてずっと
僕を支えてくれているんだ……」
フランスとの休戦を
反故にするのかと
言ってみても(意訳)
「僕は平和を望んでる!
この宮廷の平和も……」
一切逆らう気はない様子。
(このヘタレ野郎……)と
誰もが思うでしょうが
・父王が急逝したため
赤ん坊のうちに即位。
→その地位だけ叔父に利用される。
・夫が死んだのに、世継ぎを
産んだせいで故国フランスに
帰れなくなった母と城に軟禁状態。
→母は身分の低い男と
私生児をこしらえる。
(そのシーンを目撃したため
女性へのトラウマを背負う)
そりゃこんな育ちなら
神に祈る以外は何も
できない男になります。
詳細は知らずとも
マーガレットはウィリアムが
彼女に何を望んだか理解します。
「貴方は私に この国の
舵を握らせるつもりなのね」
そして早速、グロスター
夫人相手に
どちらが上の立場かを
思い知らせる強烈な一撃!!
(物理)
そこに痺れる憧れるゥ!!
当然仕返しもされる
わけですが
いかにしてマーガレットが
実権を握っていくか、
楽しみです。
また、本作では彼女が
グロスター公の鼻を
明かそうとした言動が
同時にヘンリーの願いを
叶えることになります。
ヘンリー「ありがとう
こんなに楽しい一日は
初めてだったよ」
気の強いしっかり者の妻と
気弱な夫がはじめて心が
通じ合ったいいシーンですが
読者は二人の関係が
結局は冷え切ったものに
なると分かっているわけで
切なくもあります。
本編でも回想シーンで
ちょっとだけ登場しましたが
夫婦の営みが独特すぎる……。
(婉曲表現)
続きます。