昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『銀河英雄伝説外伝』OVA「汚名」

「汚名」はキルヒアイス
主役の回。

ラインハルトがローエングラムの
姓を「賜る」ことになり、
それに伴う諸事情のため

キルヒアイスが一人で
休暇をリゾート惑星で
過ごすことに。

ところがある貴族の老人が
暴漢に襲われそうになるのを
助けたため、事件に
巻き込まれることに……。

老人はカイザーリング
退役中将。

かつて同盟との戦いで
帝国軍に大損害を与えたと
軍事裁判にかけられた人物。

タイトルの「汚名」は
彼から来ています。

キルヒアイスは警察に
聴取のために呼ばれた際、

・暴漢は現役の軍人で
サイオキシン麻薬の中毒者。

・おそらく軍の内部に
製造、売買の組織がある。

・警察は軍隊に手が
出せない。

などを説明され、地元の
ホフマン警視から
協力を求められます。

警視はなかなかの
曲者で、キルヒアイス
お人好しを利用されたとも
言えますが

警視視点だとあんな逸材、
逃す方がどうかしている……。

警視は老中将を
当初疑っていましたが
実は……。

この話はキルヒアイス
ラインハルト、アンネローゼと
対比する存在として

長年の報われぬ愛を
捧げるカイザーリング中将、

長年の友人で麻薬の元締め
だった真犯人のバーゼル

その妻で、中将に愛されてる
バーゼル夫人が登場します。

40年も友情や愛を
捧げてきた相手が麻薬を
ばらまく悪魔と知った時、
警察に告発できるか?

報われぬと知っていても
愛を捧げる側の気持ち、

何も返せないのに
愛され続ける側の気持ち、

キルヒアイスは自分と重ねて
色々考えてしまいます。

若い読者(視聴者)ほど
老人側の感情は理解しづらいと
思うので、

納得いかなかった人にはぜひ
40、50過ぎたあたりで
もう一度観てほしいです。

歳を取ると頭でわかってても
方向転換が難しいのよ……。

キルヒアイスが格闘も
射撃も頭脳も全てハイスペックで

改めて彼の優秀さを
確認できますが
同時に

(もしもラインハルトに
出会わなくても、

やはり誰かのために尽くして
若死にしていたのでは……?)

と、切なくなる話です。