昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『銀河英雄伝説外伝』OVA「螺旋迷宮」その2

『銀英伝』の魅力として
綿密な歴史設定と、個性
豊かなキャラクターが
挙げられます。

本編では「過去の英雄」として
さわりしか語られてなかった

ブルース・アッシュビーと
仲間たちがキャラ付けされ、
強烈な個性を放っています。

戦闘中、敵に向かって

「お前たちを叩きのめした
人物は、ブルース・アッシュビーだ。

次に叩きのめす人物は
ブルース・アッシュビーだ。
忘れずにいてもらおう」

たった一言で「挑発的な物言いで
反感を買いがちだが
言うだけのことはある」
タイプなのがわかります。

赤毛のトレーズ・
クシュリナーダに見える
人は結構いるはず)

彼をはじめとした優秀な
士官学校の同期生が
通称「730年マフィア」

士官学校の卒業年次が
宇宙歴730年。

それぞれの人間的な
エピソードが紹介された上で

アッシュビー最後の
勝ち戦、第二次ティアマト
会戦が描かれます。

魅力ある存在だったからこそ
ヤンが赴任した辺境の
捕虜収容所で出会う人々が

何十年も前に死んだ730年
マフィアとの関わりを
自分から口にするという設定が
成り立つわけです。

(所長は部屋にある人物の
肖像画を掲げてたり、
老従卒もかつて仕えていたことを
自慢げに語る)

収容所編でキーマンと
なるのが、いわば牢名主の
ケーフェンヒラー大佐。

第二次ティアマト会戦時に
捕虜になった最古参。

声も大ベテラン、矢島正明さん。
(スタトレのカーク船長であり、
アニメ黎明期から活躍されてる方)

なかなか食えない老人ですが
彼とパトリチェフ大尉に
助けられながら、

ヤンは命拾い&ある程度の
真相に辿り着きます。

詳細はあえて言いませんが
原作小説の刊行が89年7月

=米ソ冷戦時ということを
踏まえると、別の読み方も
出来ますね。

祖国の政治システムを憎悪し、
他国に理想を投影して
売国奴になったのに

憧れの国もまた楽園では
ないと知る……。

そういう人があの時代には
多かったことでしょう。

ソ連スパイに金でなく好意で
日本人が差し出した情報は
使い物にならないモノが
多かったとか……。

※ケーフェンヒラー大佐は
スパイ網に気づいただけで
スパイではありません。
念のため。

続きはまたそのうちに。