『一級建築士 矩子の設計思考』
(21~)は独立して事務所を
構えたばかりの女性一級建築士・
古川矩子(こがわ かなこ)が、
訪れる人の建築物に関する問題を
解決します。あと酒を飲む話。
「お仕事マンガ」には
色んな職業がありますが
一級建築士は珍しい。
「ふらりと立ち寄れるよう」
立ち呑みを併設しているので
酒飲みながら話を聞くスタイルが
多いです。
※相手が未成年ならコーヒー。
第一話はお隣のスナックの
マダムが「店があったまるまで
休ませて」と暖房目当てに
やって来ます。
雑談で「弟が家を建てるって」と
メールの図面を見せてもらい
矩子「これを建ててはダメです」
マダム「なっ……何よ
もしかして風水?」
矩子「理論的にダメなのです」
以降、ちゃんとしてるように
見えても構造上の欠点があり、
倒壊の危険があることが
説明されます。
マダム「でもお役所が審査
するんでしょ!?」
矩子「ですがこういう
小規模な建物の構造は
審査対象になっていません」
神戸出身のマダムは
95年の大震災を思い出し
身震いする……。
そりゃビルとかマンションの
方が倒れたら大ごとだから
役所の審査が入るのはわかるけど
知識を持たない一般住宅こそ
助けが必要なのでは?
だからこそ矩子は気軽に
立ち寄れる事務所を
作ったというわけです。
第二話は建築士の仕事の
一つ「実測」。
図面が存在しない古い
建築物を測って図面を
作ります。
第三話は社会科見学に来た
小学生梓ちゃんと、付き添いの
女子高生姉・薫ちゃんとのお喋り。
ちょっとした会話を元に
二人が住む家の図面を
書き上げます。
第四話ではマンションの
管理組合のやり方がおかしいと
相談され、見に行くと
ある住人と管理組合がグルで……。
自分の住む場所は
誰かにまかせきりにしては
いけない、という教訓。
一級建築士が具体的に
どんな仕事をするのか、
どういう過程を経てなるのか、
自分の住居や周辺の
建築物に興味がわいてくる
お話です。
日本酒やビールの話もあるので
酒好きな人にもおススメ。