昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

板垣巴留『BEAST COMPRLEXⅢ』その1

BEAST COMPRLEXⅢ』は同作者の
『BEASTERS』と同じく、動物が
人間のように社会生活を送る
世界観で描かれる、一話完結の
短編集です。

『BEASTERS』を読んでなくても
問題はありませんが、キャラが
リンクしてるエピソードも
あります。

第13話は「ニシキヘビと
ハイエナ」

朝、いじめられっ子が
教室に入ったら、いじめっ子が
首を吊っていた。

「このままでは自分が
犯人と疑われてしまう」と
思ったいじめられっ子は……。

こう書くと普通の学園
ミステリの導入部のようですが

ニシキヘビのいじめられっ子は
咄嗟に彼を丸呑みに……というのは
動物モノである本作ならではの
発想です。

なぜ自殺を?とニシキヘビの
カメジは、ハイエナのムロウの
カバンやロッカーを開けて

遺書を探しますが、
何も見つかりません。

ムロウは本当はどんな奴
だったのか?

カメジは「いじめっ子」と
してしか認識していなかった
彼を初めて知ろうとします。

オチはあえて言いません。

この不思議な味わいを
ぜひ読んで確かめてほしい!!

第16話「トラとアルパカ」が
表紙の2人です。

雌虎・アイシャは仕事場で
雌の草食獣たちに日々気を遣い、
しんどい思いをしています。

そんなアイシャの唯一の
楽しみは、アルパカの整体を
受けること……。

服従させてるつもりが
服従してたのは自分だった」と
いうのはお約束ではありますが

この展開、人間同士だと
露骨にエロいですね。

第17話「オオカミとアザラシ」は
『BEASTES』主人公レゴシと
同じアパートのサグワンさんの話。

娘が誘拐されたとタコの
お母さんから聞いた二人は
探すことを請け負うが……

→次のページで串焼きに
なって屋台で売られてる。

→即座に買って食べる
サグワンさん。

流れるようなシュールな
展開が素敵すぎる……。

「動物」というオブラートに
包むことで「価値観はそれぞれ」と

メッセージがストレートすぎず、
突飛な発想・演出もできるという
神の発想……。

続きはまたそのうちに。