雛祭りが近くなると14巻の
エピソード「雛の宵に」
(ひいなのよいに)を
思い出します……。
念のため本作のあらすじ。
ある日、主人公の美奈子の
前に現れた悪魔「デイモス」は
美奈子を花嫁と呼び、黄泉の
国へ連れて行こうとする。
美奈子は拒絶するが、デイモスは
彼女が現世に絶望するように
人間の暗部を見せていく……。
(何故美奈子だったのかとか
詳細は長くなるので省きます)
そういう事情なので、毎回
一話完結でゲストキャラは
大体破滅する展開ですが
このお話は珍しい例外。
大雑把に説明すると今回の
ゲスト主人公は「翠」
(みどり)という小学生女子。
・資産家の屋敷の使用人だった
愛人の子で、母親は入院中。
・屋敷に引き取られ、正妻と
娘(異母姉)に虐げられている。
・父親は仕事で不在。
・近隣の同い年の子達にも
妾の子といじめられる。
・唯一の楽しみは絵を描いて
その人形でおままごと……。
ある時、いじめられた翠を
可哀想に思った美奈子は
家に招きます。
雛人形とは別に「流し雛」と
いう小さな人形が飾られていて
美奈子は「川に流して
一年の厄を祓うもの」と
説明。
美奈子がお茶を入れてる間に
翠は流し雛を盗んで出ていき、
デイモスに止められます。
「美奈子が悲しむぞ」と
常識的に説得する悪魔……。
しかし翠は捕まえてるデイモスの
手に噛みつき、返さないと
宣言。
(その際にデイモスの血が
口元につく)
デイモスは態度を変え
「おまえの災厄を祓うがいい」と
翠を解放します。
翠の脳裏に「一年ぽっちの厄を
祓うより、邪魔者を永遠に
消した方が……」という
考えがふと浮かび、
雛人形を正妻と異母姉の
絵に入れ替え、川に流します。
その夜、正妻と異母姉は死亡。
跡取りとなった翠の環境は
一変します。
そして次のターゲットを
口うるさい教師に定めて……。
薄幸な少女の唯一の慰めだった
絵を描くことが、呪殺の手段に
なるという展開が素晴らしい。
他にもふとした拍子に思い出す
エピソードが沢山あります。
つまり傑作ってことですよ……!!
続きはまたそのうちに。