おれたちゃ、神さまと
手をきって
地獄の悪魔の手をとった……
命知らずの
外人部隊!!(エトランジェ)
もしも「がいじんぶたい」と
そのままの読み仮名だったら
ニュアンスが全然違って
いたでしょう。
※エトランジェは外国人・
異邦人の意味です。念のため。
こういう「響きはカッコいいが
耳慣れないカタカナ」+
「一目見れば意味がわかる漢字」の
組み合わせって便利だな……と
思ったので語ります。
元ネタは海外小説や詩の
翻訳本だと思います。
昭和の頃は横文字が珍しく、
今ではありふれた言葉でも
新鮮に聞こえました。
70~80年代の漫画も
そういうタイトルが多い。
川原翼
『エイリアン通り』(ストリート)
子供の読者にとっては
語彙を増やす勉強にも
なっていました。
また、細かいニュアンスを
伝えることもできます。
例えば
池田悦子原作・あしべゆうほ
『悪魔(デイモス)の花嫁』
本作の悪魔デイモスは
オリンポスの神だったのが
ジュピターの怒りに触れて
異形の姿にされた設定。
一般的に想像される悪魔は
ほとんどキリスト教由来なので
違うということを示すために
あえてルビを振ってる
わけです。
ここまでは実際に使われてる
言葉を使用していますが
それを応用すると
カッコいい響きのルビ+漢字で
いくらでもその漫画独自の
専門用語が作れます。
『聖闘士星矢』がもしも
「せいとうし・せいや」なら
ここまで大ヒットしたでしょうか?
そもそも
・「saint」はキリスト教の聖人を
意味する単語なのに、ギリシャ神話
由来の戦士の名前に使う。
・聖なる闘士、と漢字を見れば
一目で意味が分かる。
この発想が神……!!
その後も特殊読みルビ+漢字の
オリジナル用語は増え続けます。
『BLEACH』に至っては
尸魂界(ソウル・ソサエティ)
虚(ホロウ)
多すぎて辞書が必要なレベルに。
でもこういうルビは読んでて
楽しいですよね……。