『プリンタニア・ニッポン』
(19~)は生体プリンターの
エラーで出力された謎の生物
「プリンタニア」と、
主人公の佐藤との交流を描いた
ちょっと不思議なほのぼのSFです。
この作品の見所は3つ。
1:プリンタニア
「すあま」の可愛さ。
もっちりすべすべで意外と
動けてちょっと健気。
喋りませんが、動きや表情で
意思の疎通はできます。
他にも沢山のプリンタニアが
いて、大きさ、色、個性も
様々です。
エサも個体によって違い、
すあまはザラメや砕いた
氷砂糖を食べます。
毛のある個体もいて、
一匹欲しくなりますね。
2:飼い主佐藤の交流関係。
佐藤はのんびりした性格なので
明るくアクティブな友人の
塩野が訪ねて来ることで、
何かしら愉快な事件が起きます。
すあまが飛んで移動できるよう
小型ホバーボードを持ってきて
くれますが、
発信機を付ける前に、既に
視界から消えているのは
お約束。
穴に埋まって反省する姿を
SNSに晒すのが流行るって
どんな世界……?
触感を共有するサイトがあり、
すあまの触感がバズったり
します。
他にも悩みの尽きない
瀬田さんや
もふもふプリンタニア
「もなか」の飼い主の
不器用な向井さんなどとの
さり気なく優しい関係性が
描かれます。
3:至れり尽くせりのようで
ちょっと不気味な世界。
「生活改善コンサルト」が
睡眠時間や栄養の摂り方まで
指導してくれる社会は
一見、便利なようですが、
裏を返せば徹底した
管理社会でもあります。
そもそも皆のフルネームが
「佐藤46」
「向井62」って何だ!?
友人になるには「申請」する
必要があったり、
すあまの体調が悪いと
医者に見せた時に佐藤が
受けた「飼育環境調査」は
ほとんど尋問でした。
「評議会はあなたのそばに」と
いう定型の文句も怖い……。
まるで「人類が一度滅びかけ、
ロボットたちが残った人間を
管理して守っている世界」
のようなんですよね……。
考察のし甲斐のある作品
ですが、プリンタニアの
可愛さやほのぼのしたやり取り
だけでも楽しめます。
続きはまたそのうちに。