昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

(漫画)倉尾宏(原作)武論尊・原哲夫『北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝』その1

北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝』
(21~)は、オリジナルTVドラマ
北斗の拳』を撮影する役者と
スタッフの奮闘をコミカルに
描いたギャグ漫画です。

※作中では漫画『北斗の拳』は
存在しません。ここ重要。

作中では1983年なので
流血や裸のシーンはクレームは
来ても放送されます。

描き下しでも触れられてますが
昔は本当に規制が緩くてね……
(遠い目)

ケンシロウ役の若手俳優
橘優李(たちばなゆうり)が
主人公。

眉はメイクで筋肉も
肉襦袢です。

既に人気俳優らしく、一話放送
開始前にはファンがうちわ持って
TVの前に座っていました。

悪役はプロレスラーや
専門の俳優たちなので
一旦カットがかかれば

ケンシロウ「すみません
パンチが当たっちゃいました」

モヒカン「気にしないで
いーよぉ」

北斗のあの濃い絵面で
普通のやり取りしてるの
面白すぎる……。

特にシン役の菱川くんが
台詞とわかってても、ユリアの
辛辣な言葉にダメージくらう
シーンがツボでした。

菱川くん「同じ人類に対して
使う言葉じゃない……」

シンの格好のまま言われると
じわじわきます。

本作の何がすごいかって

北斗の拳はメジャー作品
だけに、あらゆるパロディや
コラ、ツッ込みどころなどが
ネットに溢れています。

それに触れずにまっさらな状態で
読む方が今時難しいでしょう。

だからこそあえてツッ込み
どころを「撮影の時の
トラブルやその場の勢い」
として出しているのでしょう。

例えば、予定では普通に
血を吐いて倒されるはずが
撮影用の人形の血糊を出す
パイプが詰まって破裂→

人が爆発したように見えて

監督「このインパクトが
必要だったんだ!」

「もっと……もっと派手に!!」

こんな感じでどんどん
演出がエスカレートして
いきます。

無茶振りやアドリブ合戦の
果てに、作品が大化けするのは
よくあること。

『北斗』パロとしても
ドラマ撮影にまつわる
役者たちの物語としても
実に秀逸です。

巻き込まれ型主人公に見えた
優李の意外な一面や
菱川くんのふっ切れ具合とか……。

続きはまたそのうちに。