昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

浦沢直樹(画)・工藤かずや(原作)『パイナップルARMY』その2

本作品のエピソードは
大きく分けて3つ。

1:豪士がゲストキャラの
依頼者に訓練を施し、
敵対者と戦わせる。

基本、これがメインです。

依頼者が抱える背景や
トラブルも様々で

依頼者が成長や変化を
見せるハッピーエンドもあれば
悲しいラストも……。

依頼者が戦えない事情がある
場合、豪士がメインで戦う
ことになります。

このタイプで好きな回は
文庫5巻「キング・オブ・
ロード」

舞台はロンドン。

定年間近のある警官を
華僑の老人たちが密かに
守りたい理由は……。

実直な「お巡りさん」が
仲間にも町の人々にも
愛されてるのいいよね……。

文庫6巻「聖者あらわる」も
短編とは思えない傑作です。

舞台はイタリア。

村で尊敬を一身に集める
老修道士がある日
「殺される夢を見た」と言う。

彼が言うなら予知夢かも
しれないと、

心配した村人たちは、皆で
大恩人の老修道士を守ろうと
豪士にレクチャーを依頼する。

実は彼の正体と命を狙われる
理由は……(あえて言いません)

2:敵が巨大な場合は
傭兵時代の仲間たちと
組んで、敵組織と戦う。

超一流スナイパーの
美女ジャネット、

A級ドライバーで格闘技の
天才、陽気な黒人の
ジェフリー、

元上官で70年代の
策士と言われた老兵・
ハリデー准将、

エレクトロニクスの
専門家・珍。

豪士の危機にはこの中の
誰か、もしくは4人全員が
助けに来ます。

時にライバル的なキャラの
コーツと組むエピソードも、
強者同士の口に出さない
敬意や絆を感じていいですね。

コンビ戦といえば文庫2巻
「ドッグ・ウォッチ」も秀逸。

空港に仕掛けられた爆弾を
爆弾処理犬アーサーと一緒に
探す話ですが

……犬は反則だよ(号泣)

3:その他。豪士の仲間の
誰かが主役だったり、
結局何も起きない
平和な話もあります。

このタイプは文庫5巻の
「湖上の男(ひと)」が
特に好きです。

休暇中に湖上で魚釣りをする
豪士を眺める、悩める
サラリーマンの男の
視点で描かれます。

熱中する豪士の姿に男は
大事なことを思い出し……。

 名作の集合体です。
もっと広まってほしい!!