昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

原作:手塚治虫 漫画:sanorin『Dr.キリコ 白い死神』

(脚本:藤澤勇希

『Dr.キリコ 白い死神』(16~)
手塚治虫の名作『ブラック・
ジャック』のスピンオフ作品。

安楽死専門の医者、Dr.キリコを
主人公にした作品です。

原作にも描かれている通り
元は軍医で、戦場で悲惨な姿に
なっても死にきれない人々を
「救って」きました。

安楽死専門医になった後も
「回復の見込みがない事」
「耐え難い苦痛がある事」
何より「本人の意思である事」

この三つの条件を満たさなければ
施術してくれませんし、
助かるなら患者の意思に
背いても治療します。

また、キリコと依頼人双方が
了承しても家族・関係者などが
邪魔する場合もあり、

非合法のビジネスだけに
利用しようとする者、
陥れようとする者は
尽きません。

脅されることもしばしばで
そういう連中の鼻をあかす
シーンは爽快です。

眼帯の下の義眼には
カメラが仕込んであるとか
形勢逆転用の設定を
活かすためとはいえ

よく捕まるよねキリコ先生……。

 本作での依頼人は当然
患者本人や関係者ですが
日本から海外まで幅広く、

幽霊や猫、他の動物など
人間でない存在からの
頼みごともあります。

またブラック・ジャックには
ピノコという相棒兼理解者兼
助手がいたように、

本作のキリコには依頼人の息子で
孤児になった少年・郁馬
(いくま)がそのポジション。

重病の父を世話してきたので
家事能力に長けたしっかり者。
ただし口は悪いツッコミ要員。

「変態死神男爵」って
言いたい放題でも受け入れて
くれるキリコ先生の寛容さ……。

郁馬の同級生で、死の淵で
苦しむ母親と暮らしていた美亜も
キリコに救われた後はレギュラー
キャラに。

原作にもいるキリコ妹のユリも登場、
BJは回想シーンや台詞には出て
きますが、本編の出番はありません。

4巻では原作のBJとの初対決を
キリコ視点で描いたスピンオフが
掲載されています。

ラフな格好してたり、子供や患者に
翻弄されたりなど、人間くさい
姿が堪能できるのでDr.キリコが
元々好きな人にお勧めですが

原作を知らない&詳しく
ない人でも問題なく読めます。