昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

羅川真里茂『ましろのおと』その4

女将に「何故ここ(竹の華)に来た」と
問われた雪の答えは

雪「三味線で食ってぐって
決めだがら」

ここから先輩店員の大河鉄雄が
師匠の役割を果たします。

ヤンキー入った体育会系の
怖い先輩、という印象の
大河ですが何やら訳ありっぽい。

(彼の過去は13巻で明らかに)

同僚のぽっちゃり双子が
嘘を教えたせいで
あちこちから怒られたり、

客から演奏を「もういい」と
断られたりと順風満々とは
ほど遠い船出の雪。

そんな中、酔客に絡まれた
雪のために同僚たちが
一致団結。

八木節で場を盛り上げる
シーンが実にいいんですよ……!

雪の演奏を「殿様三味線」と
酷評していた女将が

ここではじめて「面白いねぇ」と
褒めます。

ある時、雷の頼みで落語会に
招かれた雪は

雷が父親の噺に三味線で
BGMをつけてる
ステージを目にします。

雷「芸の道 面白いわね」

久しぶりに三味線愛好会の
仲間たちとも会えたし、

普通、この辺りから運が
拓けていくフラグだと
思うじゃないですか?

ところが波乱はまだ続きます。

突然、梅子が竹の華に来襲来店。
雪に伴奏させて歌いますが
途中で止めます。

梅子「言っだでねか 
ワヤになるって」

雪の音が変ったことを
嘆く梅子。

しかし店員の一人で、プロの
民謡歌手のマニは雪の三味線を
気に入っていて

大会で自分の伴奏をしてほしい、
(一度持ちかけて断られた)
大河には内緒でと頼むの
でした。

酷評されたり気に入られたり
励まされたりと様々な
人の反応の中、揺れ動く雪。

その戸惑いは演奏にも
表れます。

女将「温室で育った
ツケってやつだ」

ある日大河にマニの唄付けを
してるのがバレてしまい、
雪は店から追い出されて……。

店の前で座り込むのがまた
古風というか
不器用というか……。

熱を出して寝込んだ際、
大河が答えを教えてくれます。

大河「お前は自分しか見ていない
弾きたいように弾いて
相手をかき乱すんだ」

責めてるわけではなく
マニの方にも

「澤村は相手を変える側の
人間だ

無自覚のまま誰かを
壊す音を出してほしくない」

ベタ惚れじゃないですか……!

いつも解説&フォロー
ありがとう大河さん……。

続きます。