昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

小山愛子『舞妓さんちのまかないさん』

舞妓さんちのまかないさん
(17~)は文字通り舞妓さんに
ご飯を作る「まかないさん」の少女・
キヨを中心にしたほっこり日常
食べ物マンガ。

勿論舞台は京都。キヨも舞妓さん
たちも「屋形」と呼ばれるおうちで
共同生活をしています。

最初はキヨも舞妓さんに憧れて
幼馴染みのすみれ(すーちゃん)と
一緒に青森から来たものの、
キヨに舞妓としての才能は皆無。

故郷へ帰されるはずでしたが
まかないのおばちゃんが腰を
痛めてしまい、代わりにご飯作りを
申し出て今に至るという事情。

ちなみにかなりの料理上手で、
プリンを食べ損ねた舞妓さんに
カラメルを乗せたパンプディング
出してあげるなど気遣いも上手。

舞妓としては落ちこぼれた
キヨを他の舞妓たちはどう
思ってるのか?というのは

夜中に帰ってきた舞妓の「ただいまー!」を
家にいた舞妓が「しっ」とたしなめて
隣室のキヨの寝息に2人がほっとする
シーンだけで十分愛されてるのが
伝わります。

 そういう何気ない言動で
キャラを描くのが巧い作品です。

舞妓さんという特殊な世界を
垣間見ることができる貴重な
作品でもあります。

あの髷は自分の髪で、結ってる
間や着物姿ではコンビニに
行けないとか

時代劇に出て来るような枕で
眠らないといけないので
初日は首が痛くて眠れないとか

お客さんが家庭を思い出して
しまうため、カレーは作れない、

帯の形で見習いか店出し
(デビュー)した
舞妓さんかわかる、

舞妓には固めの杯を
かわした義姉がいるなど
(屋形のおかあさんが決める)

貴重な情報が得られます。

何がすごいって、舞妓や花街の
世界を描くといえば、普通は
もっと大人の艶っぽい話に
なってもおかしくないのに

十代のキヨや若い舞妓たちを
メインにしたことで、夢の入り口に
いるすみれたちとそれを支える
キヨという日常ものにした
ところ。

キヨとすみれの関係性や
周囲の人々の優しい感じが
実にいい……。

 また京の花街は四季折々の
決まりごとが多数あるので
日本の風情を一緒に楽しみたく
なる作品です。