昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

高橋留美子『めぞん一刻』その1

めぞん一刻(80~)
古い木造アパート「一刻館」を
舞台に描かれる、住人の浪人生・
五代裕作と管理人の未亡人・
音無響子とのラブコメもの。

昭和の人情モノのテイストも
あります。

86年にアニメ化、OVA
実写映画も作られた人気作。

07年には実写TVドラマも
作られました。

※ちなみにTVアニメ化の際、
二号室住人・二階堂くんは
削られてます。
(原作でも途中登場だし)

四谷さんや一の瀬さんなど
変人キャラがわちゃわちゃしてる
印象が強いのでコミカルな作品と
思われがちですが、

頼りない浪人生だった五代君が
大学生になり、就職・結婚までを
描いた成長物語であると同時に

「亡き夫を自分が忘れたら
本当に死んでしまう」と
思い詰めていた響子さんが

新たな幸せを手にする
話でもあります。

読み返してみると台詞の深さに
しんみりします……。

また、高橋留美子と言えば
三角、四角関係がお約束。

今作でも五代君のライバルになる
お金持ちのテニスコーチ、
三鷹さん(犬が大の苦手)

三鷹さんのお見合い相手、
大人しいお嬢様で愛犬家の
九条明日菜さん、

五代君とはアルバイト先が同じで
響子さんの意外な嫉妬深さを
露呈させた七尾こずえちゃん、

五代君が教育実習生として
訪れた学校の女子高生
八神いぶきなどが登場します。

響子さんの亡き夫、惚一郎さんとは
永遠の三角関係とも言えますね。

犬に夫の名前を付けているのは
(メタ的に話を混乱させる役どころ
でもあると同時に)

響子さんが夫に拘り続けている
証でもあります。

惚一郎さんの顔は最後まで分からず、
性格も日記や響子さんとの回想シーン
などから推測するほかないのですが

……何とも風変りな人っぽいですね。

地学の先生だし、地主のお坊ちゃん
だしで浮世離れしてるのかも。

実は子供の頃はこずえちゃんの
図々しさが苦手でした。

でも今読むと
(五代君は見返りも要求せず、
下心もなく言いなりになってくれる
優しいお兄さんだもんなぁ……)

恋に恋する女の子には
安全かつ便利な人ですよね……。

続きます。