地球に着いたアーガマは、ハマーンが占拠した
ダカールを目指します。
しかしジュドーはリィナを探しに行くため
勝手にアーガマを降りて、地元の少年タマンの
船に乗り込んでしまいます。
(24話『南海に咲く兄妹愛』)
しかしタマンは妹のためにお金を稼ごうとして
ネオジオン側に利用されていました……。
本筋とは関わりない話ですが、しばらく
ネオジオンと旧ジオン軍絡みの
エピソードが続きます。
25話『ロンメルの顔』では8年間
砂漠で雌伏していた旧ジオン軍残党・
ロンメル隊のエピソード。
ロンメル隊長は歴戦の勇士っぽく、かつ
時代錯誤な印象で描かれます。
8年も志を曲げずに、過酷な砂漠で
部下たちを訓練してきたのに
子供が乗る最新式MSの性能の前に
あっさり敗れるという皮肉。
ラストで兵士(=夫や父や息子)が散った砂漠を
見つめる老人や女子供の姿に胸が痛む……。
26話『マサイの心』からOPEDが変更。
恋人の無念を晴らそうと、褐色美女マサイが
赤いゲルググを駆ってジュドーたちを
追い詰めます。
正直、ロンメル隊より彼女の方が強くない……?
彼女の頭にあるのは「余所者というだけで
村人から疎外された恋人の名誉を取り戻す」
ことだけ。
しかし善戦したもののZZの前に敗北。
彼女の悲しみに同調したプルは助けてほしいと
ジュドーに頼みます。
とても前半、暑いからと残りの飲み水を
頭からかぶって、怒ったルーとエルから
日干しにされかけた子とは思えません。
エルたちも気遣ってあげて……。
命は助かったものの、村に戻って一人
部屋の中にうずくまり、恋人の名を呟くマサイ。
「次は何をすればいい……?」
村人たちも「二度と立ち上がれないだろう」と
呟いて傍にも寄りません。
妹のため、信念のため、恋人のため、
美しい善意の果てに迎えるバッドエンドの
連続に、心を抉られる回が続きます。
しかし、話が重く暗く、やりきれないほどに
輝きを増すのが黒富野作品です。
プルが水を浪費したりとわがまま放題の
シーンがむしろ癒しという……。