昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『機動戦士ガンダムZZ』その5

地球に着いたアーガマは、ハマーンが占拠した
ダカールを目指します。

しかしジュドーはリィナを探しに行くため
勝手にアーガマを降りて、地元の少年タマンの
船に乗り込んでしまいます。

(24話『南海に咲く兄妹愛』)

しかしタマンは妹のためにお金を稼ごうとして
ネオジオン側に利用されていました……。

本筋とは関わりない話ですが、しばらく
ネオジオンと旧ジオン軍絡みの
エピソードが続きます。

25話『ロンメルの顔』では8年間
砂漠で雌伏していた旧ジオン軍残党・
ロンメル隊のエピソード。

ロンメル隊長は歴戦の勇士っぽく、かつ
時代錯誤な印象で描かれます。

8年も志を曲げずに、過酷な砂漠で
部下たちを訓練してきたのに

子供が乗る最新式MSの性能の前に
あっさり敗れるという皮肉。

ラストで兵士(=夫や父や息子)が散った砂漠を
見つめる老人や女子供の姿に胸が痛む……。

26話『マサイの心』からOPEDが変更。

恋人の無念を晴らそうと、褐色美女マサイが
赤いゲルググを駆ってジュドーたちを
追い詰めます。

正直、ロンメル隊より彼女の方が強くない……?

彼女の頭にあるのは「余所者というだけで
村人から疎外された恋人の名誉を取り戻す」
ことだけ。

しかし善戦したもののZZの前に敗北。

彼女の悲しみに同調したプルは助けてほしいと
ジュドーに頼みます。

とても前半、暑いからと残りの飲み水を
頭からかぶって、怒ったルーとエルから
日干しにされかけた子とは思えません。

エルたちも気遣ってあげて……。

命は助かったものの、村に戻って一人
部屋の中にうずくまり、恋人の名を呟くマサイ。

「次は何をすればいい……?」

村人たちも「二度と立ち上がれないだろう」と
呟いて傍にも寄りません。

妹のため、信念のため、恋人のため、
美しい善意の果てに迎えるバッドエンドの
連続に、心を抉られる回が続きます。

しかし、話が重く暗く、やりきれないほどに
輝きを増すのが黒富野作品です。

プルが水を浪費したりとわがまま放題の
シーンがむしろ癒しという……。