昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

秋★枝『恋は光』その2

掠奪目的の途中参加キャラは
男女問わず「安定した人間関係」を
大きく揺さぶるのが役割です。

宿木さんが積極的に動いた結果、
東雲さんは嫉妬を覚えたり

西条は悩み、北代さんはフォローに
動いて大忙し。

宿木さんの方も、素直な東雲さんの
言動に影響されていきます。

(東雲さんも自己完結していた世界に
宿木さんからの「今時の文化」を
受け入れます)

 西条や東雲さんが分析癖があるためか
どのキャラも、自分の感情がはっきりと
解説されているのもこの作品の特徴です。

宿木さんの掠奪グセは本人のモノローグで
「自分に自信がない」からだと言ってますが

それはそれとして「楽しい」とも
明言してるのが女性作家っぽい。

東雲・北代さんは彼女の言動を
責めたり軽蔑することもなく
普通に接してくれます。

いたたまれなくなった宿木さんは
西条に正直に話してしまいますが

西条「あなたの考え方は
とても面白いと思いました」

選ぶ基準が自分の尺度でなく
客観的な評価というだけ、と
西条も否定しません。

ここに至って宿木さんは西条の良さが
わかるのでした……。

また、宿木さんの提案で他に謎の光が
見える人をSNSで探すことになり

もう一人の「光」が見えるキャラ、
女子高生・大洲央(おおず
なかば)が4巻から登場します。

それにより西条の過去や
二人の共通点が語られますが
光の謎は曖昧なままでした。

しかし一番肝心なのは央からだと
「北代さんが光って見える」こと。

西条に知られた北代さんは
覚悟を決めて告白します。

3人共とても魅力的なので西条は
誰を選んでもおかしくないのですが
最初から一貫してましたね。

恋愛にはならなくても、西条と北代
さんの関係性は素敵だと思います。

央と憧れの小笠原センパイとの関係や
北代さん、宿木さんたちのその後も
気になるので後日談もぜひ読みたいです。

他人という「異文化」と交わることで
変化、成長していくのがいい。

女同士仲いいのも微笑ましい……。

 読んでいて気恥ずかしくなるほど率直で
しかし愛おしい。そんなお話です。

恋は光 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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