昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

岩明均『寄生獣』その5

探偵の倉森が秘密を知ったことが広川一派に
伝わり、彼の留守中に妻子が殺されます。

捜査に来た刑事に、以前新一から聞いた
「平間刑事」を呼ぶように言う倉森。

倉森は新一の名前を伏せた上で
自分の持つ情報をレポートに
まとめて逃亡、

「田村玲子」の赤ん坊を攫って
単独で彼女との対決を選択するのでした。

(※赤ん坊は純粋な人間)

その頃、田村玲子は味方から
危険視されはじめていました。

「ともかく急に感じたのだ……
違う……“仲間”とは違う!」

三人がかりで処分されそうになるのを
何とか切り抜けます。

(このエピソードは田村玲子を
助けに来る同族はいないということと
彼女の咄嗟の判断力・戦闘力が優れている
ことを示す意味もありました)

 約束した場所(公園)で倉森に
赤ん坊を高いところから投げ落とされそうに
なった田村玲子は倉森を殺害、
赤ん坊を抱えてその場を離れます。

倉森は駆けつけた警官たちに
「赤ん坊を連れた、白い服に私の
返り血がついてる女が寄生生物だ」と
言い残して死亡します。

警官たちが必死に探している間、
田宮玲子は前もって呼び出していた
新一と話していました。

「そして出た結論はこうだ
あわせて1つ

寄生生物と人間は1つの家族だ
我々は人間の“子供”なのだ」

話が広川に及んだところで警官が彼女を
見つけ、平間警部補が発砲。

田宮良子は抵抗せず、赤ん坊を
庇ったまま撃たれ続け、

最期に新一に無傷の赤ん坊を
託して倒れます。

 田宮玲子「……この前 人間のまねをして……
鏡の前で大声で笑ってみた……

……なかなか気分がよかったぞ……」

彼女が仲間から危険視されたのは
人間らしさに目覚めていたからかもと
思える最後の一言でした。

戦うことも逃げることもできたはずだと
戸惑うミギー。

 それでも彼女は、赤ん坊を護ることを
優先したのでした。

田村玲子から赤ん坊を受け取り、
死んだ母親のことを思い出して
涙が溢れる新一……。

本当に名場面です。

しかしこれによって新一は警官たちに
疑いの眼を向けられることに……。

続きます。

寄生獣(8) (アフタヌーンコミックス)

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