昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

日本橋ヨヲコ『極東学園天国』その1

 極東学園天国(99~)は「徴学令」が
敷かれた近未来の日本という設定で
問題児ばかりを集めた全寮制の高校、
「五色台学園」を舞台にした群像劇の
学園モノです。

※徴学令は不登校や問題児でも
強制的に学校に通わせる法令。

第一話は主人公・平賀信号(ヒラガ シンゴ)が
転入して来るところから始まります。

シンゴの視点を通して、学園内で3年生が
食券を買い占めたため1、2年がうどんしか
食べられず困っていること、

3年生は後輩の女生徒に食券と体の取引を
持ちかけていることが描かれます。

遂に2年生のリーダー格、利一(通称リーチ)が
3年相手に流血沙汰を起こしたことから

3年生トップ、知能犯の「バカ殿」
城戸信長から、学食の優先権を賭けて
学年対抗の戦争ゴッコが提案されます。

リーチが助っ人に入ったシンゴに
「なんで助けた、善人ぶるな」と
言った時の返答が

シンゴ「いやだなあと思うこと
そのままにしてたら

たましいが腐るから」

日本橋作品特有の真っ直ぐな青い言動が
これでもかとばかりに出てきます。

この作品は二部構成になっていて
1、2巻が「学食争奪戦」

各学年の大将が持つ指定アイテムを
決められた時間内に奪ったら勝ちです。

シンゴたち2年甲組はそれぞれの能力を
活かしてクラスに貢献。

(メタ的には、ここで人間関係や
キャラが抱える問題が描かれます)

実はこの「争奪戦」は城戸信長が
自分の卒業後、学園を守る次の総代を
見定めるために目論んだものでした。

本命はリーチとシンゴですが、山金くんや
定子も信長の前で容赦なく本音を
引き出されます。

(そうやって人を試してるから肝心な時に
リーチに信じてもらえないんじゃないかな……)

シンゴは既に人格が完成されているので、
(心許せる友達に出会い、その才能を
活かせるのも変化と言えますが)

大きな成長・変化を見せるのはリーチや
信長たちです。

2部からは五色台学園の廃校の危機に
生徒たちが団結して抵抗します。

しかしクセの強い生徒たちは簡単にはまとまらず……。

 続きます。

新装版 極東学園天国(1) (イブニングコミックス)

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