『放課後よりみち委員会』(11~)は
主人公の男子高校生、姫野光里(ひめの
ひかり)が学校のドアの向こうにある
異世界を、現実とは別の姿になって
先輩たちと共にまったりと探検する
ほのぼの学園ファンタジーです。
入学したばかりで校内を探検していた
光里が立ち入り禁止のドアを開けると、
そこには森が広がっていました。
しかも自分はセーラー服の女子になっていて
言葉を喋る小さな虎と熊に出会います。
森の中は見覚えもないのに、どこか懐かしい空間。
虎と熊に連れられてドアから出ると、そこは
図書準備室で、若い現国教師の渡先生がいました。
渡先生の説明で、ドアの向こうの世界には
10年前行方不明になった
先生の同級生「吉田」が隠れていること、
彼を探すため異世界に行ける生徒を集めて
「特別捜索委員会」を作ったという事情が
明かされ、光里も強制的にメンバーに。
(先生や大半の生徒は異世界に入れない)
かくして虎先輩=古風な男子の縞谷大河と
熊先輩=紅一点の七黒(ななこく)まな、
ペンギン先輩=女好きのキザ男、飛鳥歩と共に
放課後、異世界を探索する日々がはじまります。
しかし基本的には大きな事件は起こりません。
緑溢れる静かな世界で、喋る動物とのんびり過ごす……
いいなあそんな放課後……。
たまに喋れる動物=生徒が紛れ込んでいるのを
保護するのも仕事の一つです。
彼らはドアから出ると異世界の記憶がなくなって
いるのが通常で、光里たちがレアなのがわかります。
光里たちを時折物陰から見ている黒い服の男が
「吉田」かと思われましたが、実はミスリード。
正体は光里のクラスメイトで、黒髪ロングの
シャイなメガネっ子、図書委員の羽崎さんでした。
彼女が「吉田」の姪っ子と知った
渡先生が委員会に勧誘しようとするも
様々な事情が重なり、なかなか進展しません。
それがじれったくもあり、面白さでもあります。
ラストに「吉田」は登場しますが、
詳細はあえて言いません。
まったりほのぼのしたい人にお勧めの
優しいお話です。