この作品は勝と鳴海が交互に
主人公として描かれる構成に
なっています。
(二人は傍観者の立場で別人の
回想シーンに入ることも)
鳴海は頑ななしろがねに反発する
こともたびたびでしたが
かなり早い段階で恋愛フラグ
立ってますよね。
「あんな こ憎らしい女なのによ
勝に対する時はすげぇきれーに
見えやがる。」
(気絶しているしろがねに見とれ
頭を掻きながら)
「反則じゃねえか……
涙なんて……よ……」
しろがねはしろがねで
鳴海の「冗談」に
鳴海「いいか、しろがね。
おまえは オレの女になる。」
しろがね「ああ……それは……
笑えないな。」
(柔らかい表情)
こんなにも強固なフラグが
そびえたっていたのに!!!
と、後半どれほど
もどかしい思いをしたことかッッ!!!
鳴海・しろがねコンビ以外にも
2巻後半からは勝の覚醒シーンがすごい。
勝(ぼくが 変わらなきゃ!!)
(そして もし生きのびたらーー
いつも笑える、ぼくになる!!)
そんな覚悟を決めまくった少年が
空から降ってきて助けられた日には
冷徹な殺し屋のリーダー、
阿紫花(あしはな)さんの
態度も変わろうってものです。
鳴海やしろがねにとっては
勝は庇護対象なので
二人には心配が先に立って見えないものが
客観的な立場の阿紫花さんには見える。
戦力だけでなく「視点」という意味でも
貴重なキャラです。
(頼れる曲者という印象の阿紫花さんが
大好きなんですが、詳細はいずれまた)
そしてあれだけ盛り上げて
3巻ラストはもう…………!!!!
リアルタイムでものすごく
凹んだのを今でも覚えています。
それだけに生存が分かった時は
めちゃくちゃ嬉しかったです。
その後鳴海は記憶と左腕を失った
状態で、男のしろがね・ギイと
老婆のしろがね・ルシールと
行動を共にします。
いつ記憶が戻り、勝たちと
合流できるのかと再び読者は
作者の掌の上で転がされるのでした……。
ギイと鳴海の関係性もいいですよね。
43巻と長い物語ですが、とんでもない
熱量で今なお読者を魅了し続ける
傑作です。
続きはまた後日。