昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

山口つばさ『ブルーピリオド』その2

高2の夏から美大を目指すため、八虎は
他の美術部員たちの誰よりも
積極的に絵を描きます。

美術部員も、普段犬猿の仲の女装男子
鮎川龍二ですら八虎を邪魔者扱いせず、

八虎の遊び仲間たちも
「よかったじゃねーか
あいつ無趣味っつーか
うちこめるもんなさそうだったし」
と素直に応援してくれます。

(その後顔が怖い恋ヶ窪くんが八虎に
影響されて本当に自分のしたいことを選んだと
言った時は涙ぐみました)

八虎の本気は、反対するつもりだった母親も
動かします。優しい世界……!!ですが
絵の道は先へ進むほど険しくなっていきます。

美術教師で美術部顧問・佐伯先生による
デッサンのコツや部員達への批評、

「一日一枚写真」「スクラップブック」など
出される課題の解説は絵を描いた経験のある
人にはすごく興味深いはず。

春休みを利用して、八虎と龍二美大
目指す人のための予備校へ行きます。

美術部で一番巧い森先輩すら
「下から5番目だった」と言う予備校には
天才的な才能の持ち主がごろごろいました。

(でも美大合格おめでとう!森先輩)

特に八虎の印象に強く残ったのは
神経質そうな高橋世田介。

彼のデッサンを見た時の八虎のモノローグ

(無音の絶叫が俺の中に響いた)も
強烈なインパクトをもたらすシーンです。

この絵に限らず、絵画は「どこがどうすごいか」
読者にわかりづらいところを
演出や一言で心を揺らしてくるのが心憎い。

二巻からは母親の許しも出て、龍二と共に
予備校の夜間部に通うことになります。

講師の大場先生から「見たまま描いてるだけ」
「まずは“自分が何が好きか”知ることから
始めましょ」と言われて

八虎の自分の絵作りがはじまります。

この辺りから龍二や関西弁のおさげの男・
橋田悠たち他の予備校生たちとの交流も
描かれるようになります。

人目も気にせず、堂々と女装していた龍二
失恋の嘆きや意外な一面に

八虎は自分がいかに浅いものの見方をして
いたのか「人間としてレベルが低い」と
思い知るのでした……。

続きはまた後日。

ブルーピリオド(2) (アフタヌーンコミックス)

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