昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

池辺葵『プリンセスメゾン』

プリンセスメゾン(14~)は働き者の
居酒屋店員・沼越幸(ぬまごえ さち)が
マンションを買うために頑張る優しいお話です。

並行して、幸とは直接関係ない複数の女性
キャラの事情も語られるので「女性にとって
家とは何か」というテーマもあるのでしょう。

16年にテレビドラマ化しました。

幸は今時珍しい二つに分けたおさげ髪の
小柄で素朴な印象の女性。

受付に子供だと思われていたほどですが
高校卒業から8年務めているというので
26は越えていることに。

両親はなく、安いアパートで独り暮らし。

子連れ夫婦やカップルに混じって
マンションの見学会で積極的に
案内の不動産屋さんに質問します。

かなわぬ夢にいっとき浸っているだけかと
思ったら、幸は超本気。

同僚に「手の届く夢じゃないっすよ」と
言われても

「努力すればできるかもしれないことを
できないって想像だけで決めつけて

やってみもせずに勝手に卑屈になっちゃ
だめだよ」

そう真顔で返す幸だからこそ、マンションを
売る側も肩入れします。

特にこの場で話を聞いていた不動産会社の受付の
理子(りこ)は幸のアパートに遊びに来る仲に。

一人でも楽しく過ごせる者同士の
静かな友情が素晴らしい。

理子も親元を離れての一人暮らし。
幸に共鳴するところもありつつ、
最後には幸と違う選択をします。

幸がしょっちゅう見学に来る「持井不動産」の
社員、伊達政一も幸の本気が伝わっているのか
親身にアドバイスしてくれます。

幸の本気を嘲笑ったり利用したりする者はなく、
みんな応援してくれる優しい世界です。

ありえないといえばありえないですが
並行して語られるエピソードの現実味との
バランスがいいので、胸に来ます。

女性の一人暮らし、家族連れ、姉妹での
二人暮らし、

年老いた両親との距離感(同居、たまに
様子を見に来る)、引っ越しを繰り返す
キャラもいます。

それぞれの家には、住む人の人生が
詰まっているんだとしみじみします。

どちらかといえば女性向けの話ですが
男性にも読んでほしい作品です。

プリンセスメゾン (2) (ビッグコミックス)

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