『花の慶次』(90~)は戦国武将で
「傾奇者」として名を馳せた前田慶次を
主人公にした時代劇アクション漫画です。
この作品の前田慶次は黒王号を思わせる巨大な馬
「松風」にまたがり、でかい鉄の傘や朱槍を携え
「大ふへん者」のマントをひるがえす大男。
普段は気ままに遊び暮らしていながら
戦場では誰よりも強く、
風流を解し、義に篤く、心優しい。
「あの方は命がけでいたずらされて
おるようですな!!」と評されるように
相手の度肝を抜くことに命を張るのが
実に傾奇者です。あとお茶目。
時代劇モノはジャンプでは珍しいのですが
天下無双の快男児・慶次の粋な振る舞いは
「これこそが男の生き様だ」と
当時の読者たちを魅了しました。
「だがそれがいい!」の名シーンは今でも
画像をネットで見かけます。
台詞自体は何度も言ってますが
成政「わが首ひとつで一国一城のあるじに
なれたものを」
「慶次……意地を通すのは不便なものよな」
慶次「だがそれがいい!!」
手柄より、敵ながら自分が認めた男の再起を
信じて逃がす、これこそ男の中の男!!!
(しかも勝手な出陣だったこともあり、
後で責めを負うのは分かっていての言動)
また、原作が時代小説なせいか艶っぽい
シーンも多いです。
慶次に刺客として送り込まれたくの一、
「棒涸らしの蛍」とか今ならアウトかも。
というか一物出すシーン多すぎない……?
蛍の初登場シーンの大真面目な顔で卑猥な手つき、
「シュキィーン」「あっはぁ~~っ」の
書き文字がすごくシュールです。
そんなキャラなのに生娘なのは少年誌的
配慮なのかと思ってたら
師匠にあたる蝙蝠が忍の術への拘りがあったこと
密かに蛍に惚れていたという事情がありました。
また蛍を利用して慶次を殺そうとした蝙蝠も
殺人狂のようでいて、美学も情も持ち合わせていた
男でした。
続きます。