昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『怪奇大作戦』第六話「吸血地獄」

怪奇な話には違いないですが、いつもの
トンデモ科学による犯罪も社会問題も
関係ない、変わり種エピソードです。

昭和特撮名物・観光地とのタイアップ回
でもあります。

大雑把なあらすじは
恋人・周作とのドライブデート中に交通事故で
死んだはずの女性・ニーナが蘇り、
吸血鬼化して人を襲いはじめる。

ニーナはポーランドの孤児院に捨てられていたのを
大使だった養父が貰い受けたのですが
実は吸血鬼の子孫だった……?

自分の過失でニーナが死んだという罪の意識も
あるのか、彼女の正体を知った上で逃避行を続ける周作。

48時間おきに血の渇きに悩まされ
恋人の目の前で醜い姿を晒すしかないニーナ。

こう書くと悲劇的ですが、なんで吸血鬼化した姿が
西洋風の青いお岩さん……?

化け物の顔を手の甲で下から上になぞり上げると
人間に戻るって大魔神か!と
思わずツッ込みたくなります。

そもそも1回(もしくは2回)死んで蘇った実績のある
ニーナが崖から落ちたくらいで本当に死んだのか?
本当に吸血鬼なのかも謎のまま話は終わります。

周作は議員の息子で、父親が汚職か何かで逮捕されて以降
「フーテンの仲間に入っていた」と言われてるので

元々嫌なことがあると現実と向き合わず
逃避するタイプだったのでしょう。

当時は九州へのハネムーンが流行しており
金は持ってるから行ってはみたものの事態は悪化するばかり
→遂にこの世からの逃避として心中というオチなのかも。

血を抜かれた死体が見つかった際に
所長が「現代の吸血鬼だね」と言いつつ
売血業者が起こした事件に触れるのが
時代を反映しています。

※1950~60年代半ばまでは売血制度がありました。

1964年にライシャワー駐日大使が刺された際に
輸血した血液から肝炎を発症という出来事をきっかけに
献血に切り替わっていきます。

あしたのジョー』でも丹下段平
血を売っていたことに触れられています。

ところで吸血鬼といえばルーマニアでは?と思ったら
当時は日本と国交がないみたいですね。

エンターテインメントアーカイブ 怪奇大作戦 (NEKO MOOK)

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