『テニスの王子様』(99~)は主人公の
中学一年生・越前リョーマと彼が転入した
青春学園(=青学)テニス部を中心に
描かれるトンデモテニス漫画です。
通称「テニプリ」
01年にアニメ化、06年に実写映画化しています。
03年からのミュージカル(通称テニミュ)は
作品ファン以外も巻き込み、2・5次元舞台の
先駆けとなりました。
序盤はまだ「中学生離れした才能の持ち主
たちのハイレベルな試合」でしたが
だんだん中学生どころか人間離れしてきます。
ボールがガットを突き破り、受けた打球ごと
壁に叩き付けられるのは日常茶飯事。
「分身」とか「五感を奪う」って
テニス漫画で出てくる単語か……?
そのためテニス漫画じゃないと言う意味で
「テニヌ」とも呼ばれます。
平成のスポーツ漫画は、最新のスポーツ医学を
取り入れるなどリアル路線が多く
テニプリのような作風は珍しい。
ルールも物理法則もガン無視の
極端な展開には、懐かしさすら覚えます。
(若い人には新鮮だったかも)
『リングにかけろ』『侍ジャイアンツ』
『アストロ球団』などの昭和の熱血スポ根ものから
泥臭さをできる限り排除し、
今風にスタイリッシュに磨き上げたのが
テニプリなのかもしれません。
本来「こんなのありか!?」と度肝を抜く
展開の多い作品は、盛り上がりやすいけど
読者がその刺激に慣れると勢いが落ちてしまいます。
それなのに20年以上も読者を驚愕させ続けて
いるという底知れなさが恐ろしい。
また、テニプリの絶大な人気を支えているのは
魅力的なキャラクターとその関係性。
何度か書きましたが、この「関係性」を
描くことに成功した作品は
『キャプテン翼』『聖闘士星矢』
『サムライトルーパー』『スラムダンク』
『ガンダムW』『銀魂』『おそ松さん』と
女性にとんでもなく大ヒットします。
しかも今作品の場合、スポーツもののため
登場人物がとにかく多い。
にも関わらず、キャラがみんな強烈で
それぞれに個性と関係性が
描き分けられているのもすごい。
次回に続きます。
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