『殿といっしょ』(09~)は戦国武将を
史実をベースにしながらも極端なキャラ付けで
愛すべきボンクラにした
ドタバタ系の四コマギャグ漫画です。
10年にOVA化、11年にTVアニメ化、
12年に実写舞台化しました。
眼帯マニアの伊達正宗
すぐ放火しようとする織田信長
とにかく我慢の徳川家康
お笑い大好き豊臣秀吉
小田原城は安全だからと脱ぎたがる北条氏康
鬼嫁と父&弟に悩まされる真田信之
姫若子の名に相応しく、美少女のような容姿で
男に大人気の長宗我部元親など
一つの特徴が極端にデフォルメされていること、
テンポの良いボケツッコミが面白い。
基本的には主君がボケで家臣がツッコミですが
真田家は兄が父と弟にツッ込む役まわりで、
上杉景勝が直江兼続の最大の犠牲者だったり
山本勘介が武田信玄・今川義元にツッ込まれるなど
逆のパターンもあります。
ギャグ漫画ながら綿密に調べられていて
お料理眼帯→伊達正宗は料理好き。
餅とすりつぶした豆を合体
→宮城名物ずんだ餅は正宗が考案した説がある
など元ネタがわかるとニヤリとできます。
一領具足=元親ファンクラブという解釈(だいたい合ってる)
序盤には武田信玄や今川義元の出番も多く
北条を交えた「甲相駿三国同盟」からの
三国息子同盟が「姫コン」を計画し
今川氏真が北条の姫、
北条氏政が武田の姫を娶る流れが秀逸。
大友宗麟の家臣、高橋紹雲・立花道雪など
あまり有名でないところも拾ってくれるのも
ありがたいですね。
また伊達正宗と母・お東の方や
立花宗重とぎん千代夫妻など
不仲説のある間柄でも
不器用やツンデレが原因のような描かれ方で
視点が優しいところも好きです。
真田父子を敵視する徳川秀忠が
気弱で心配性な妻・お江の暴走に
振り回される力関係もいい。
優しいといえば、表紙の4コマは表紙と
カバー下、更に帯部分でオチのセリフが
3パターンある作者の心配り。
勉強になる……かはさておき、
戦国好きな人は楽しめると思います。
殿といっしょ 1 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)
- 作者: 大羽快
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2012/09/01
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