『犯人たちの事件簿』(17~)はマガジンを
代表するミステリ漫画『金田一少年の
事件簿』のスピンオフ作品。
犯人たち視点で、トリックやアリバイ作りの
過程と、それが金田一少年にことごとく
暴かれていくまでを描いたギャグ漫画です。
この作品の何が面白いって
1:原作では既に完成した形で出ているトリックを
犯人たちが「必死に」成立させる姿を描いていること
『金田一少年』は大がかりなトリックや
見立て殺人が多いので、実行する際は
相当な労力が必要になります。
(寒い中、震えながら死体を風車にくくりつけて)
「トリックって……最後はフィジカル……!!」
には爆笑しました。
物理的に大変でなくても「顔に包帯グルグル巻きで
ホテルにチェックインは可能か?」と
犯人が内心ドキドキしていて
判断する側のホテルのオーナーも戸惑うなど
「言われてみればそうだ」
というところを巧みに突いてきます。
2:犯人が上手くできたトリックに自画自賛したり
困ったりのリアクションが面白い。
(自分の才能が怖い……)
(トリックの神に……愛されてる……?)
いい感じに調子に乗ったかと思えば
「ど……どうすれば……
人がダイイングメッセージ書いてるの
見るのはじめてだから……」
この台詞が特にツボでした。
3:金田一少年を始めとする他のキャラの言動に
対する見事なツッコミ。
(皆の前でトリックの粗を言うのやめて……!!)
(明智が迷子……)
金田一くんの容姿に関して
「堂本剛君に激似……いやでもよく見ると
松本潤君……いや亀梨君……
山田涼介君にも見える
絶妙な顔立ちだわ……」
どんな顔だよ!(※みんなTVドラマ版で
金田一少年役でした)
やってることは殺人OR下準備なのに
人間味あふれる犯人たちが可愛く思えてくる不思議!
ぜひ読んで笑顔になってほしい作品です。
なお話の構造上、犯人・トリックが明かされてる状態
なので原作を読んでからの方が楽しめます。
原作がドロドロした人間模様や血塗れの復讐劇が
多いからこそのギャップもあるでしょうし。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(1) (講談社コミックス)
- 作者: 船津紳平,さとうふみや,天樹征丸,金成陽三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/11/17
- メディア: コミック
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