昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

船津紳平『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』

『犯人たちの事件簿』(17~)はマガジンを
代表するミステリ漫画『金田一少年
事件簿』のスピンオフ作品。

犯人たち視点で、トリックやアリバイ作りの
過程と、それが金田一少年にことごとく
暴かれていくまでを描いたギャグ漫画です。

この作品の何が面白いって

1:原作では既に完成した形で出ているトリックを
犯人たちが「必死に」成立させる姿を描いていること

金田一少年』は大がかりなトリックや
見立て殺人が多いので、実行する際は
相当な労力が必要になります。

(寒い中、震えながら死体を風車にくくりつけて)

「トリックって……最後はフィジカル……!!」
には爆笑しました。

物理的に大変でなくても「顔に包帯グルグル巻きで
ホテルにチェックインは可能か?」と
犯人が内心ドキドキしていて

判断する側のホテルのオーナーも戸惑うなど

「言われてみればそうだ」
というところを巧みに突いてきます。

2:犯人が上手くできたトリックに自画自賛したり
困ったりのリアクションが面白い。

(自分の才能が怖い……)

(トリックの神に……愛されてる……?)

いい感じに調子に乗ったかと思えば

「ど……どうすれば……
人がダイイングメッセージ書いてるの
見るのはじめてだから……」

この台詞が特にツボでした。

3:金田一少年を始めとする他のキャラの言動に
対する見事なツッコミ。

(皆の前でトリックの粗を言うのやめて……!!)

明智が迷子……)

金田一くんの容姿に関して

堂本剛君に激似……いやでもよく見ると
松本潤君……いや亀梨君……
山田涼介君にも見える
絶妙な顔立ちだわ……」

どんな顔だよ!(※みんなTVドラマ版で
金田一少年役でした)

やってることは殺人OR下準備なのに
人間味あふれる犯人たちが可愛く思えてくる不思議!

ぜひ読んで笑顔になってほしい作品です。

 

なお話の構造上、犯人・トリックが明かされてる状態
なので原作を読んでからの方が楽しめます。

原作がドロドロした人間模様や血塗れの復讐劇が
多いからこそのギャップもあるでしょうし。