昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

ゆうきまさみ『でぃす×こみ』

 でぃす×こみ(14~)少年漫画家
志望の主人公・女子高生の渡瀬かおるが
兄がかおるの名前で投稿したBL作品で
デビューすることになってしまい、
担当にも言えず物語作りに右往左往する
コミカルな漫画家マンガです。

でぃす×こみ』が受賞作のタイトル。

ゆうきまさみがBLに挑戦!?」と
話題になっていましたが

「本人の作風と対極の漫画を描く羽目になる
主人公」の葛藤やドタバタがメインです。

時折秘密がバレそうになるドキドキ感も
あります(ネタバレになるから書きません)

最初は担当に相談しようとしますが
「男があれ描いてきたらドン引き!!」と
言われるなど、とても明かせない事情が重なり

かおるは大学生の兄・弦太郎のアドバイス
受けながらBLマンガを描くことになります。

※弦太郎は「美しい物語を描きたかった」
そうで、ホモでも腐男子でもありません。

就活の現実逃避&気晴らしだったのかも……。

かおるの本来の力量は下読みの段階で
はじかれる程度。

「キメ顏ばっか力入れて話の作りが乱暴」と
投稿先の少年誌の編集者に言われています。

そのため話の運びやエピソードの必然性、
何のために、どこに入れるべきか?

キャラクターの関係性などストーリーの
根幹部分を担当や弦太郎に言われて
徹底的に考えることになります。

吸血鬼ものを考えた挙句のオチには笑いました。
少年マンガ脳はこれだから……!!

またかおるの学校や同級生の反応、
同級生の親からクレームが来たり

アシスタント先の先生とスタッフたち
編集さんや同期の作家とのやり取りなど

兄妹&担当のマンガ作り以外のドラマ部分も
ちゃんとあります。

毎回、冒頭で原稿=BL漫画の序盤っぽいシーンが
描かれても特に際どいシーンはありません。

この部分はカラーになっていて色んな
作家さんが塗りを担当しているのも特色です。

塗り方だけではっきり個性が出るんだから
素晴らしい……。

ゆうきまさみ作品特有のとぼけた雰囲気が
好きな人なら、BL部分気にせず
楽しめますよ!