『でぃす×こみ』(14~)は少年漫画家
志望の主人公・女子高生の渡瀬かおるが
兄がかおるの名前で投稿したBL作品で
デビューすることになってしまい、
担当にも言えず物語作りに右往左往する
コミカルな漫画家マンガです。
『でぃす×こみ』が受賞作のタイトル。
「ゆうきまさみがBLに挑戦!?」と
話題になっていましたが
「本人の作風と対極の漫画を描く羽目になる
主人公」の葛藤やドタバタがメインです。
時折秘密がバレそうになるドキドキ感も
あります(ネタバレになるから書きません)
最初は担当に相談しようとしますが
「男があれ描いてきたらドン引き!!」と
言われるなど、とても明かせない事情が重なり
かおるは大学生の兄・弦太郎のアドバイスを
受けながらBLマンガを描くことになります。
※弦太郎は「美しい物語を描きたかった」
そうで、ホモでも腐男子でもありません。
就活の現実逃避&気晴らしだったのかも……。
かおるの本来の力量は下読みの段階で
はじかれる程度。
「キメ顏ばっか力入れて話の作りが乱暴」と
投稿先の少年誌の編集者に言われています。
そのため話の運びやエピソードの必然性、
何のために、どこに入れるべきか?
キャラクターの関係性などストーリーの
根幹部分を担当や弦太郎に言われて
徹底的に考えることになります。
吸血鬼ものを考えた挙句のオチには笑いました。
少年マンガ脳はこれだから……!!
またかおるの学校や同級生の反応、
同級生の親からクレームが来たり
アシスタント先の先生とスタッフたち
編集さんや同期の作家とのやり取りなど
兄妹&担当のマンガ作り以外のドラマ部分も
ちゃんとあります。
毎回、冒頭で原稿=BL漫画の序盤っぽいシーンが
描かれても特に際どいシーンはありません。
この部分はカラーになっていて色んな
作家さんが塗りを担当しているのも特色です。
塗り方だけではっきり個性が出るんだから
素晴らしい……。
ゆうきまさみ作品特有のとぼけた雰囲気が
好きな人なら、BL部分気にせず
楽しめますよ!