『へうげもの』には魅力的なキャラが沢山。
いずれも歴史に名を残す武将や芸術家たち
なので、そのまま書いても面白いネタに
濃厚なアレンジが加わっています。
厳しい時は恐ろしいけど、華やかで
スケールの大きなカリスマの信長。
安土城天守閣内のあまりの豪華さに驚く織部に
「その顔が見たかった」と言ったり
無邪気に大笑いしたりと憎めない人です。
譲れない自分の美を持つ者同士、織部とは
通じ合うところがありました。
この作品ではむしろ信長より秀吉の方が
冷血で、本能寺の変は秀吉主犯説が
取られています。
秀吉が事前に明智光秀をそそのかした上で
毛利攻めを弟・秀長に任せて抜け出し、
信長を自ら討ったことになっています。
(明智軍が来た時には信長は死んでいる)
この時の秀吉と信長とのやり取り、
あえてここでは書きませんが
ぜひ見てほしい!!!
(『ドリフターズ』読んでる人は、
アレの元ネタこれかーー!!となります)
あと織田長益は誰か殴っといて!!
後に秀吉が織部の前で真相を吐露し、
はじめて泣くシーンがまた素晴らしい……。
家康は正しいことに拘り、贅沢を嫌う
堅物として描かれます。
しかし母性に溢れた北政所に
一目惚れしてしまい、そこを織部に
つけ込まれて借金に応じたことも。
礼状と共にハートマークの中に「北」の一文字を
入れた焼き物を織部に送られ
血税をこんなことに使って民に申し訳ないと
内心謝ってるシーンが好きです。
家康にしても息子・秀忠や石田三成など
生真面目すぎて冷たい印象の堅物たちも
人間くさいエピソードで一気に
好きになってしまう瞬間が来ます。
また悲劇のヒロインとして描かれがちな
お市の方と細川ガラシャも
お市の方は自らの計算で柴田勝家につき、
ガラシャは銃を取って石田方と戦って散るなど
この作品の女性たちは皆勇ましくしたたかです。
細川と言えば細川藤孝が、子孫である
細川元総理の顔そのままなのはちょっと笑った。
作者と元総理が対談したこともありましたね……。
まだまだ語り足りないので続きは後日。
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