平成元年作品の『巨乳ハンター』では
Dカップ=巨乳でしたが
昭和の頃はCカップあればボイン、
グラマーと呼ばれていたものです。
今やEやFのグラドルも珍しくなく
「爆乳」なんて言葉も出てきました。
現実の女性たちが食生活の変化で
発育が良くなったとか
事情はいろいろあると思いますが
何にせよマンガにおいても、胸に関する
表現や感覚は変わっていくということです。
昭和の頃は、胸が小さければ「ナインペタン」
大きければ「ボイン」で両方ともマンガの中では
からかわれる対象でした。
下着は取られるもの、挨拶がわりに乳や尻を触られる、
のぞきは当たり前と言うとすごく無法地帯のようだ……。
今ならセクハラだと物議を醸しそうですが
シリアスやアクションの合間のギャグ、つまり
緩急の「緩」の役割を果たしてもいたのです。
しかしPTAやフェミ団体にそんな理屈は通用せず
どんなイタズラをされても「いや~ん
まいっちんぐ♪」ですませる『まいっちんぐ
マチコ先生』(80~)は相当攻撃されたようです。
なお『マチコ先生』がだいぶ後に実写化した際、
バストサイズが84→94になってたことに
時代の流れを感じました。
日本で胸の大きさがどうこう言われるように
なったのは、やはり戦後、皆が着物から
体型のはっきり出る洋服にかわったからでしょう。
70年代後半にアグネス・ラムのビキニの
グラビアが話題になるなど
女性が肌を露出する機会も増えました。
そう思うと胸へのこだわりも
以前書いたパンティ幻想同様、
つい最近できたエロスということになります。
昭和の頃から大きな胸こそ素晴らしいという
風潮で、
平成(90年代)に入ると頬や目など一部分を強調する
濃い目の画風が流行り、胸も強調されて
巨乳の女性キャラが増えます。
それを逆手に取って
「貧乳はステータスだ 希少価値だ」と
誇ったのが『らきすた』(04~)でした。
令和ではどういう表現や扱いになるんでしょうね。
ところで乳のことをずっと考えていたせいか、
「チチをもげ!」の脳内再生が止まらなくなった……。