昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

野田サトル『ゴールデンカムイ』その2

ゴールデンカムイで真っ先に語りたい魅力は
やはり主人公杉元と、ヒロイン・アシリパ
キャラと関係性。

「俺は不死身の杉元だッ!!」の叫びと共に
一体どれほどの死線をくぐって生き延びたのか
心身ともに強靭な、無敵の殺戮マシーン。

しかし素の性格は優しく温厚。

年下であっても「アシリパさん」と呼び、
アイヌ文化に対しても敬意を払います。

懐の小熊をアシリパに見つかり、食べられると誤解しての
「こいつは俺が面倒見るッ 母親代わりになるんだあ」
と必死に守ろうとしたり

アイヌの伝承で)「恋のお話?聞かせて……」
ときめいたりする乙女な一面もあります。

そんな杉元が戦闘スイッチが入った瞬間、
さっきまで仲良くしていた相手を殺しにかかる
強烈なギャップは

濃いキャラの多い『ゴールデンカムイ』の中でも
決してひけを取らない存在感を与えています

アシリパは年頃のアイヌの女がする風習の
口元の刺青を

「わたしは新しい時代のアイヌだから」
きっぱり拒否し、

織物や裁縫はできないが、狩りの達人という
強く凛々しい少女です。

序盤には白い狼レタラが彼女を助けに
現れるなど、『もののけ姫』のような
神秘的な印象すらありました。

しかし一巻後半から彼女の見事な
変顔がはじまります。

「じゃあ脳ミソ食べろ」「うまいか?」

顔が……別人と言うかこう……(困惑)

食べ物に執着を見せたり、容赦なく
お仕置き棒で折檻してきます。

それは杉元との距離が縮まっている証でも
ありましたが、読者からすると

「美少女ヒロイン……だったはず……?」と
疑問を抱くほどのインパクトがありました。

最初は金塊と父の死の真相解明という
違う目的で手を組んだ二人でしたが
次第にかけがえのない相棒になります。

「心がずっと戦場にいる」杉元にとって
アシリパ人間性を取り戻せる救いであり、

また父親に意図的に狩り=戦う術を
仕込まれていたアシリパにとっては

他人の杉元の方が何の見返りもなく
護ってくれる存在という……。

まだまだ語り足りないので、続きはまた
近いうちに!!