昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

冨樫義博『レベルE』

『レベルE』(レベルイー 95~)
「宇宙一優秀で危険なドグラ星のバカ王子」を
中心に、山形を舞台に起きる宇宙人がらみの
騒動を描いたオムニバスです。

11年にはアニメ化されました。

第一話は高校生・筒井雪隆が一人暮らしの
ために引っ越してきたマンションに、

自称宇宙人の謎の青年が住んでいた
ところから始まります。

当初は雪隆が主人公なのかと思ったら
謎の青年こと、バカ王子が狂言回しとして
だいたいの話に登場します。

フルネームはバカ=キ=エル・ドグラ。
第一王子なので次期国王ですが

「ぼくはホラを吹く時は
常に命がけの覚悟で臨んでいる」

と、優秀な頭脳を悪ふざけのために
使う厄介極まりない人物。

よくネットで使われる「予想の斜め上」という
言葉の元ネタでもあります。

正確には
「あいつの場合に限って
常に最悪のケースを想定しろ

奴は必ずその少し斜め上を行く!!」

常にそれに振り回される、護衛の
クラフト隊長が不憫でならない……。

ブラックユーモアとひねりの効いた
ショートショートみたいな話が多いので
あらすじは詳しく解説しませんが

登場人物や設定の名前を見れば
作品の傾向は良くわかるかと思います。

「筒井(道隆)」「ドグラ・マグラ(星)」
「江戸川(乱歩)」「コリン(ウィルソン)」
「サド」「(ラヴ)クラフト」……。

これらを本棚に並べてる人は知的で
人を喰った言動が好きなひねくれ者の傾向。
(だいたい合ってるはず)

個人的に好きなのは、バカ王子が小学生5人に
変身アイテムを渡して使わせる
「原色戦隊カラーレンジャー」編

RPGと人魚の二つのお話がありますが
特に人魚の話はおススメです。

あとバカ王子結婚編。

まんまと罠にかかったのは何故かって
たまに論争になってますが決まってる。

惚れちゃったからだよ!!

実はいつの間にか、地球は宇宙人が
当たり前のように大勢溶け込んでいる……
というのは『幽白』ラストを彷彿とさせます。

色んな意味でHUNTER×HUNTERの原型っぽい
作品ですね。文章量とか凝りまくった設定とか。

 

レベルE 下 (ジャンプコミックスDIGITAL)