昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

萩尾望都『王妃マルゴ』その1

王妃マルゴ(12~)は16世紀フランスの
宮廷や内戦を、フランス王女マルグリット・
ド・ヴァロア(愛称マルゴ)の視点で描く
歴史モノです。

本日7巻が発売されたので記念に語ります。

序盤のマルゴはまだ6歳。素敵な結婚や王子様に
憧れる、夢見るお姫様でした。

他の兄弟や幼なじみたちもまだ幼く、
ケンカしたり泣かされたりはあっても
無邪気にじゃれ合っていました……(遠い目)

しかし子供たちの周りでは、当然ながら
様々な国際情勢・政治闘争の駆け引きが
繰り返されています。

花嫁のベールを被ったまま、姉たちの会話を聞いた
マルゴが「結婚の秘密って何?」とはしゃぐ中、

大人たちの話題は
「和平の証に同い年のスペイン王太子に嫁ぐはずが
その父王と結婚することになる姉王女」
サヴォア公国との戦争終結のために嫁ぐ叔母」と

王族の結婚は政治的な意味があることが
読者に示されます。

王の死によって、残された愛妾や王妃に対する
周囲の扱いが激変したり

次々に起こる叛乱、その首謀者の処刑を
10歳の次男シャルルが王太子として見届ける
ことになり、悪夢にうなされたり。

意味も分からず口にした言葉のせいで
母后に本当に処女か検査されたりと

王女といえど夢見てるわけにはいかない
厳しい現実が次々に突きつけられます。

それでもマルゴは恋に憧れることを
やめませんが

時代はプロテスタントカトリック
そして王家の三つ巴の内戦、
ユグノー戦争へと突き進んでいくのでした。

ある日マルゴはノストラダムスと出会い、
引いたカードから予言されます。

「あなたの恋人の名は“アンリ”
あなたと結婚する相手の名は“アンリ”
そしてあなたの敵の名は“アンリ”」

この時のマルゴには誰を指しているのかわかりません
でしたが、次第に意味が明らかになります。

敵対する三つの勢力の代表の名前が全員アンリという
ややこしい史実を、その三人全てと
関係が深いマルゴの視点にすることで
分かりやすくしています。

語り切れないので続きます。

王妃マルゴ 1 (愛蔵版コミックス)

王妃マルゴ 1 (愛蔵版コミックス)