昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

細野不二彦『ギャラリーフェイク』その2

フジタは権威や権力者、資産家やマフィアなど
どんな相手に対してもしたたかに渡り合う
一面と同時に

「美」を見抜く目を持った相手には優しく、
お金がなくてもゴッホの真作を貸切で見せて
くれたりもします。

個人的に大好きなエピソード

『メトロポリタンの一夜』ではたまたま美術館内で
出会った老人に(資産家だがフジタは素性を
知らない)頼まれるまま案内した際の会話

「ワシは芸術のことはまったくわからん」

「しかし、自分の職業に誇りを持って
打ち込んでいる人間ほど……

この世でかえがたく美しいものはない
そうは思わんかね?」

「ええ。」と微笑むフジタがすごくいい顔を
してるんですよね。

人情話も素晴らしいですが、大富豪やオークションなど
ゴージャスな世界から最貧国の出来事まで
幅広く描かれます。

ゴージャスの部分を担当する要員でもある
ヒロインのサラは亡命してきた某国の王族で

資産家のため、買い物や旅行など
お金の使い方が実に清々しい。

彼女が発端となるエピソードも多く
結果フジタが人助けしたり、彼女がフジタを
助けることもあります。

サラの乗った飛行機が消息を絶ち、
ひたすらフジタが心配するエピソードは
かなり萌えました。

(買い物に夢中で飛行機に乗りそびれていたオチ)

またフジタ&サラ以外のキャラも個性的で
準レギュラー扱いで時折出てくるキャラ

宝石泥棒兼宝石店美人オーナーの翡翠(フェイツィ)
宝石やミステリー・クロックに魅せられ
もう性癖になっちゃってる女性。

手下の瑪瑙(めのう)さんも泥棒の腕は
確かなのにドMという愉快なコンビ。

(というかこのマンガM男率高くない……?)

サラの体臭に惚れ込み、サラ本人からはドン引きの
天才調香師、ジャン・ポール・香本さん。

国宝Gメン・知念さんもいいキャラです。

書いてたらまだまだ語りたくなったので
またそのうちに。

短編の集合体ですのでどこから読んでもよく、
日本画や西洋画、古代文明の遺産など
ジャンル別で話がまとめられている本もありますよ!