昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

曽田正人『シャカリキ!』

シャカリキ!(92~)は子供の頃から
坂を登ることが大好きな主人公・野々村輝
(テル)が、由多監督とその息子比呂彦との
出会いにより、

亀高自転車部でライバルたちと競い合う
熱い自転車レースモノです。

 

08年には実写映画化しました。

序盤は小学生のテルが転入して来るところから
始まります。

自転車をようやく買ってもらったのに
引っ越した先はとんでもなく長く急な坂道ばかり。

しかし決して諦めずに登ろうとする姿に
いつしか皆が応援する町の名物に……。

中3の夏に前述の由多親子と出会い、高校生から
テルのロードレース参加がはじまります。

90年代当時は、今のように多くの人が高性能な
ロードバイクを持ってるなんてことはなく
みんな安いママチャリに乗ってました。

当然、ロードレースの知識もなく、素人の
テル視点でいろんなことをこの漫画から教わりました。

交代で引っ張ったり風よけになって助け合うかと
思えば、一人を入賞させるために手駒になったり。

途中でぶっ倒れることもある、過酷でシビアな
スポーツだということも。

曽田作品に繰り返し出てくる「一人の天才の足元に
無数の凡人が倒れ伏す」描写はこの作品にも登場しますが

レースというのは勝者が一人である以上
それは当然のことなのかもしれません。

そんな競技をあえて選んでるのだから、レーサーたちも
一筋縄ではいかない曲者揃い。

レースの最中はそんな彼らがまぶしいほどに
キラキラと輝いて見えます。

気難しい一面はあっても、自転車が好きという
純粋さや、レースにかける努力などはきっちり
描かれているからだと思いますが

テルは言うまでもなく、由多、鳩村、牧瀬、
ハリスと数多いライバルたちも、
みんな全力で応援したくなる素敵なキャラばかり。

読み始めると「早く!早く続きを!!」
と手が止まらなくなるのと同じくらい

「今すぐチャリを全力でぶっとばしたい!!」
という正反対の衝動に駆られるマンガです。

ところで読者の大半が思うこと。

「ユタがパパ似でなくて良かった……」