『ロミオの青い空』(95~)はリザ・テツナーの
児童文学『黒い兄弟』を原作にしたアニメです。
※原作とはだいぶ設定が異なります。
11歳の少年、ロミオは火事に遭った父の
治療費を稼ぐため故郷のスイスの村から
人買いに売られ、イタリア・ミラノの
煙突掃除夫になります。
過酷な仕事と生活、町の不良少年たち
「狼団」から敵視されながらも、
同じ煙突掃除の少年たちと「黒い兄弟」を結成し
強く生きていく物語です。
「黒い」の意味は煙突掃除のすすで真っ黒に
なるからです。念のため。
子供向けの『名作劇場』枠でありながら
美少年のキャラクターデザインで、
ロミオの親友、アルフレドの貴公子ぶりと
ピュアでまっすぐなロミオとの
深い関係性は当時、熱烈な女性ファンを
生みました。
金髪碧眼の美少年で、優しく物静か。
読書を好み、上品な物腰のアルフレドは
どう見ても売られるような貧民ではなく
訳ありなのは明らかでした。
実際に貴族の跡取りであることが判明したり
黒い兄弟のリーダーとなるカリスマを備えた
非の打ちどころのない美少年。
ロミオも彼を尊敬し、頼りにしているのですが
アルフレドの方もロミオの純真さに救われているという……。
しかしその高いスペックは、彼の早すぎる死を
より悲劇的なものにするフラグでした(号泣)
アルフレドの親方に当たる男は非道な性格で
彼を徹底的にこき使い、遂に……。
ロミオ役の折笠愛さんは当時『ガンダムW』で
カトル役、「狼団」NO.2のリナルドが
同じく『W』のトロワ役、中原茂さん。
狼団リーダー、ジョバンニが檜山さんだったりと
当時の流行りを意識したキャストで
その辺りもヒットの理由かと思います。
とはいえこの作品が屈指の名作であることは間違いありません。
また、声といえばアルフレドの気高い貴公子ボイスは
藤田淑子さんでなければありえませんでした。
(藤田淑子さんのご冥福をお祈りします)
OP『空へ……』も本当に素晴らしい曲です。
機会があればぜひ一度観てください!